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バンドって大変だわね。
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- 2007/08/29(Wed) -
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![]() Modern Minds And Pastimes - The Click Five ボストンの5人組パワーポップバンドの2枚目。 高名なバークリー音楽院の生徒同士で結成したこのバンドは、ティーン世代に向かってアピールしながら、アイドルグループのように華々しくデビューした後、フォウンテンズ・オブ・ウェインのソングライター、アダム・シュレシンジャーの書いた「Just A Girl」やオリジナルソング「Catch your Wave」がヒットし、満足なスタートを切ることができた。 しかし、ここにきて、ボーカリストが脱退してしまった。せっかく曲もヒットしたのだし、これからますます軌道に乗って行かなければならない時に、バンドの看板でもあるポジションの人がバンドを脱退してしまうということはバンド内を震撼させるほどの大きな痛手であるわけだけど、が、しかしバンドはすぐさま、またさらに美形の王子様のような人を新たに据えて、また再スタートさせた。さすがアイドルバンドという感じもしなくもないが、この展開の速さは、まさに「モーニング娘。」並で、少々あっけに取られてしまう(苦笑)。ボーカル脱退後の漫画みたいな顛末の映像はここで観られる。 ボーカリストが変わって、音楽が変わったのかというとそうでもない。新しいボーカルが以前より大人びた感じなので、音楽自体もそれに合わせた形で、前よりきゃぴきゃぴしたとこが落ち着き、少し成熟した感はあるものの、ストレートなパワーポップミュージックはそのまま。 よく出来た音楽商品として完パケされているのは相変わらずなのだけど、全体的に少し落ち着き、聴かせるムードがあるので、前述のヒットソングのような、とにかく青空全開で突き抜けたパワーポップソングっていうのがアルバムの中で見当たらないのが少し残念。ボーカリストが変わっても、前のようにそのままの勢いで良かったのになぁって思う。素直にまたアダムに曲を書いてもらえばよかったのにね? ![]() Kaleidoscopism - Sparkwood テキサス・オースティンの4人組バンドの3作目。 もうこれは一言、ビーチ・ボーイズ、クイーン、ジェリーフィッシュ、ELO等のパーフェクトでビューティフルな合体。これら以外聴かなくても生涯気にならない人、または3度の飯より好きな人はこれを聴かないなんてありえないし、また聴き続けてもまず飽きることはないでしょう。そういう人は聴くといいと思います。・・・以上(笑)。 |
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どっちもひねくれ。
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- 2007/08/26(Sun) -
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![]() These things Move In Threes - Mumm-Ra 英国南部サセックスの5人組ロックバンドのデビュー作。 去年にリリースされたシングルの頃から大きく話題になっていたバンドで(去年のフジロックにもやってきた。)、彼らのマネージメント契約の段階では、今の時代を象徴するビッグバンド、フランツ・フェルディナンドのマネージャーとカイザー・チーフスのマネージャーが名乗りを上げ、両者一歩も引かぬ争奪戦となり、ついには共同でマネージメントするという異例の形が取られるという逸話が残っている。・・・にしては、今現在もそんなに大きなアルバムセールスに至っていない感じがあるのだけど、まだ弱冠22歳の新人、まだまだこれからという感じなのかな。 最初、シングルを聴いた時はキラーズの勢いに続くようなバンドを勝手に少しイメージしていたのだけど、いざアルバムを聴くと、そんな一筋縄ではないことに驚かされた。確かに今の流れの中にある80年代的なニューウェーブ的な要素だったり、そこから生まれる軽快さや勢いがこのアルバム内にはあるのだけど、しかしながら、このバンドの音楽の本質自体はビートルズやビーチ・ボーイズなどを始めとする60年代的なポップを起点にした、重厚なハーモニーをつけたひねくれインディポップの方にあって、そこでアピールしているのが興味深く、個人的には嬉しい。まさかあんなドリーミーなアルバムイントロダクションに始まり、伝統的なサイケで美しいサウンドスケープを持った楽曲で締めようとするこのアルバムの作りを聴く前はまるで想像していなかったし、彼らが今あるニューウェーブ群からはむしろかなり異質な存在であるということに考えを改めなければならなくなった。 願わくば、この先もニューウェーブ的なとこでなく、ビッグで重厚な方にもっとさらに傾いて、ポップ完成度を磨いてくれれば、もっと個人的に好みになると思うけど(笑)、とにかく若いバンドだから、この先どう転ぶか楽しみな存在でもある。あとは、もっと演奏力とバンドの体力は身につける必要はあるかな・・・。 ![]() Tones Of Town - Field Music 英国北部サンダーランド出身の3人組の2年ぶり2枚目。 バイオグラフィー的に、このバンドのメンバーは以前に同郷バンドのフューチャーヘッズやマキシモ・パークにもメンバーとして参加したことがあったそうだが、このバンドの音楽を聴くことにおいては、あまり参考にならないと思う。ああいうスポットライトの当たったニューウェーブバンドの要素はあまりないから。 とても2007年にリリースされる音楽作品とは思えないような、聴いててすごく時代錯覚を起こしてしまいそうなとても古臭い感じがする作品で、全体的にあの昔ならではの独特なもこもこしたサウンドだし、これが70年代の前半にでも出ていれば帳尻も合うのであろうけど(笑)、そうではないとこがとても個性的。 内容はXTCやポール・マッカートニーなどを想起させる、とてもポップでカラフルな作品で、一筋縄ではいかない楽曲展開を持ちつつ、練りに練られたポップソングが3分間にまとめられ、それを11曲並べている。頭の賢い良質なインディポップバンドならではのやり口で、充実した内容を見せながら、アルバム自体も30分も超えたところでさくっと終わってしまい、無駄がない。こういう考え抜かれた作品には、聴くたびに新しい発見や新鮮さにもめぐり合う。僕なんかには聴いてて楽しい部類のものだ。 今の多くの人にとってはおおよそ地味に映ってしまうものであるかもしれないけど、好きなタイプの音楽を聴きこみたい人には、何度も聴かせる作品だと思う。目立たないとこでこれを傑作扱いにする人も決して少なくないと思う。 |
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ヘアーは普通。
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- 2007/08/23(Thu) -
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![]() スカート - スネオヘアー 渡辺健二氏によるソロユニットの5作目。 半年位以上も前に、ひょんなことからシングル「Headphone Music」のPVを観たか聴いたかして、なんかこういう日本語の歌を聴くのもたまにはいいかなぁと思って、その後かなり後になってある日レンタル屋さんに行った時に、そういえば!と思い出して、その曲の入ったアルバムを見つけ出して、聴いた感じなんだけど。 このスネオヘアーなどという奇妙な名前の人がどんな音楽をやっているのか全く知らなかったし、普通に、多分ソロだし、きっとSSWらしいポップス音楽でもやってるのかな、くらいにしか思ってなかったんだけど、いざ聴いたら意外にギターロックミュージックだったので、びっくりした。出会いのきっかけとなった曲がそもそも、ソウルミュージックがかった、ほのぼのとしたポップソングだったので、あれ、この人実はロックの人なんだ、と思って。 アルバム聴いたら、すごく良かった。ちょっと青春エモっぽい感じで軽快に走りぬけたり、電子音やホーンが入ったポップなサウンドスケープで場面を彩ったり、あとはもうほんとに普通に日本語による歌謡ポップスがあったりとかって、その辺が良い意味で雑多かつ整然と心地良く並んでる感じで、さらっと苦もなく聴き流せるようなアルバムで。 また歌詞の中にある私生活の幾場面で訪れるありがちな心の葛藤とか不安も、ほのぼのカラフルムードにちょっとした切なさと優しさを加えた感じで前向きに接していて、そういう意味でも全体的に後味の良くていい感じ。 個人的にはロックな感じで軽快に進むアルバムの序盤からムードが少し変わる中盤の辺りのリラックスした感じが好きで、「ターミナル」〜「やさしいうた」〜「Headphone Music」の辺が良い。特に「ターミナル」のキラキラサウンドスケープとハーモニー感覚は自分のツボを突きすぎて、うっとり。その後の「やさしいうた」も単純にほんと良い曲で、こういう大文字の歌謡ソングを聴くと、日本人で良かったなぁって思います。洋楽でこういう曲ってあんまりないから。あとは終盤の「Season」って曲も良い曲だね。 まぁ、たまにはこういうのも良いなぁと。 |
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20年に敬礼。
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- 2007/08/20(Mon) -
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Spitz, Flower Companyz, つじあやの, 曽我部恵一Band, Going Underground @ Zep Tokyo
ライブは結構観てきたけど、覚えてる限りでいえば、これで多分人生3回目の邦楽ライブ。中学生の時人生初ライブだった布袋寅泰、それから3年前のアジアン・カンフー・ジェネレーションのNano Mugen Fes・・・以来。これは別に自分でチケットを取って観に行ったのではなく、「今度こういうライブがあるんだよねぇ。」などという話を聞いた時に、「え?4500円!?それで!?絶対行くよ。チケットが取れるなら、自分も行きたいもん。取るつもりなら一緒に取ってよ。」という話のノリになり。とかいって、その豪華さでクラブサイズじゃ、まず望みは薄いよなぁ、などと内心ほとんど流してたら、数日後、「・・・チケット取れちゃった、普通に電話して。」って。・・・・・えええええええ!!みたいな。強運ありすぎ。 ・・・ということで、何気なくするりと難関を勝ち抜き、行くことになったのです。なかなか自分からはこんな機会もないので、ゆりかもめに乗って行きましたよ。超久々にゼップ東京。いつも行っても、代官山Unitだとか、クアトロサイズなもんで、この3000人くらいは入りそうなゼップ東京クラスの会場に行くこと自体に新鮮さを覚え。そしていつも「開演直前ぎりぎり」に来る僕とは全然違って、律儀に「開場時間のずっと前」から熱心に集まってる大勢の熱狂的なファンたち。明らかに自分が行くライブでは出会わない種類の方たちがわんさかいて(笑)。しかも、このざっと見て90%に届きそうな女子占有率・・・下は女子中学生から、30代、40代の大人の女性まで、幅広く混在。しかもノーガイジンズで、純度100%のジャパニーズだし。なんかほんと、邦楽って感じの、決して特有の人たちの集まりじゃない、世間一般の身近さが周辺の空気として確実にありました。 今回はスピッツがどうも今年で結成20年なんだそうで(そんなにやってるんだ?)、それをお祝いするっていうイベントライブなんだそうで。開演午後6時から5組、一気観(いっきみ)の展開。思った以上にずっとステージのセットチェンジの手際の良く、ちょっと感動。 *Going Underground ゴーイング・アンダーグラウンドは個人的にちょっと思い出がありまして、夜中に退屈になって、久々にラジオをつけたら、オールナイトニッポンの第2部(ほとんど明け方ですな。/笑)で彼らが単発番組をやってて。しかも「今日、僕たちのメジャーデビュー作が出ます!あんまり僕たちを知らない人ばっかりだろうけど、よろしく!」みたいな初々しさで。当然リリース記念番組ですから、彼らのバイオを紹介されつつも、彼らの曲をいくつも聴くことになり。凄まじいセンチメンタリズムの中で、結構ウィーザーの影響が色濃かったので、「好きなんだろうなぁ、きっと。」って思いながら聴いてたんですけど。「グラフティー」とか「雨の樹」とか好きな曲があったので、後でレンタルして、多分それを落としたやつもどっかにあると思うけど。でも、僕の中ではそれっきりで、ご存知の通り、その後の彼らは「トワイライト」などのヒット曲で大きな支持を得たわけです。トップバッターだったライブは、横ノリな音楽の性質上、「沸騰」スイッチを入れるというよりは、じわじわ温まるという「保温」状態でのスタートで、会場全体も比較的和みムード。バンド演奏中にキーボードプレーヤーが楽器の前に出てきては、オーディエンスレベルに立って必死に会場を盛り上げていこうとするとこが微笑ましく、それになぞるオーディエンスとともに上手くステージとフロアのコミュニケーションを図っていた。正直、もっとおセンチな爆発をアピールして欲しかったが、ショウ時間が短いこともあって、その辺わりとあっさりしたものに。個人的には思い出のファーストから「グラフィティー」が聴けたのは良かった。 *曽我部恵一Band 元サニー・デイ・サービスのソロバンド。曽我部さんも思い出があって(笑)、たまたま明け方テレビを観てたら(また明け方かよ。)、めざにゅーで「ドレミファみどり」っていうコーナーがあって、そこにギター講師として出ていらっしゃっていたのですね。サニー・デイ・サービスと言えば、いわゆる「渋谷系」のイメージが強かったので、そんなイメージでいたら、とんでもない。いきなりステージに出てくるなり、メンバーと円陣を組んで、気合入れ。で、始まった曲がその辺全部なぎ倒すような爆音ギターロック。打って変わって、縦ノリムードが会場を支配。ドラムセットの前に集まって、メンバー全員で演奏するのに熱中するとことか、なんかもう、素敵過ぎるー!と思いつつ、爆笑してしまった。彼のキャラクター的にフォークで弾き語りのイメージが自分の中で結構強くあったんで、こんなかっこいいロック魂を見せてくれる音楽もやっていたのだなぁ、と発見してしまった感じで。演奏もタイトだし、ぐっとオーディエンスのハートも掴んでて、なおかつ仕切りも上手いし。この日のベストライブといっていい。惚れた。 *つじあやの つじあやのはもうずっと前から好きで、「春蜜柑」の頃から聴いてはいたんだけど、まさか普通に生で観られる機会があるなんて思いもしなくて。ウクレレを1本持って出てきた彼女は、広いステージにぽつんと置いてある椅子に座って、弾き語りで曲を演奏。彼女はスピッツのビッグファンであるらしく、挨拶代わりに宮崎映画のテーマソングになり、世間での浸透度も高い「風になる」を演奏した後、立て続けにスピッツのカバーを3曲披露。そして新曲を演奏して、終了。正直、良い曲なんて山ほど持ってるはずの彼女の曲をもっと演奏してもらいたかったのだけど、こういう場であるから、それも仕方ないかな、と。生で弾き語りを終始観てて思ったのは、ああいうウクレレのような個性の強い楽器を、自分の歌声とともにあんなにさらりと雰囲気良く演出してしまうのは誰でもできることではなくて、彼女だからっていうところがまずあって、さらにはやっぱ彼女があえてウクレレを選んで演奏している、というよりは、ウクレレの方が自然と彼女自身を選んだっていう方の説得力があの独特で圧倒的な世界を生み出してるという事実で・・・そういう風に選ばれて起きる化学反応って本物だし、レアだし、すごく素敵だなって思って。彼女にはそういうものすごい強みを持ってるわけなんですよね。 *Flower Companyz 全然存じ上げなかったバンドだったんですけど、もう18年も活動しているバンドなんだそうです。ハンドマイクを持って、身振り手振り全身を使って感情をぶつけるボーカル、硬質な音質でカミナリハードロックギターを演出するSGギターらしいギターサウンド、そして裸にデニムの繋ぎを着て、ちょっとひょうきんな動きで弾くベース(笑)・・・っていう個性的なタイプのバンドで。まぁ、これだけ個性とノリの良さと音楽の旨味をさらけ出していかないと、18年というキャリアを築けないとでもいうような。しかも、ライブをみんなに楽しませようとするライブの仕切りとトークが上手い。どこの出身の人たちか知らないけど、ユーモアのセンスもちゃんとあって。結構洋楽のライブなんかの場合、まぁ言葉の壁なんかもあってか、音楽の演奏以外はほったらかしっていうケースもよくあるんだけど(良く言えば、本当に音楽だけで勝負しているという感じになるけど。)、それに比べるとこういうのも新鮮かな、音楽とそれ以外の部分でも魅せるっていうとこで。音楽自体もなかなか良くて、「深夜高速」っていう曲が印象的だった。激情ギターサウンドの中での「生きてて良かった」と何度もリフレインで訴えるサビの場面は胸を打った。 *Spitz スピッツは多分その辺の人と同じで、テレビとかで流れるようなヒットソングは知ってて、「空も飛べるはず」を聴けば、「白線流し」を思い出してしまうという感じで(笑)。「メモリーズ」っていう曲はテレビのCMで観て、シングルを買いに行きましたけどね・・・それくらいかな。別にベスト盤とかも買ったことないし。ただ一緒に行った人が彼らの曲を落とした物をくれたので、そこからは大分予習しましたけども。いまさら僕が言うことでもないですけど、彼らはヒット曲になった曲もそこまで知られざる曲も含めて、ほんとに良い曲をたくさん持ってますよね。草野マサムネという希代のソングライターがいて、そんな彼が書いた曲を基に、古き良き主旋律主体のギターポップだったり、またパンキッシュなとこだったり、時には伝統的なハードロックミュージックだったり、という風にバンドの意に沿って演奏してて。またそれと同時に、ロックバンドという真面目な姿勢と彼らならではの普遍性をずっと変わらず維持してきていて、それがずっと支持され続けている。その揺らぎのなさはライブにも表れてて、実際、貫禄のステージだった。特にリズム隊の安定感と器用さはさすがというものだし、ボーカルラインはCDと同じように良い印象を与え、その寸分のズレもない。こんだけ良い曲を揃えてて、演奏はものすごくプロフェッショナルで、もうなんか完璧すぎて、何て突っ込みどころのないバンドなんだろう、という感じが自分の観た感想だったんですが。それも変な派手さを求めず、ひたすら真面目に磨き上げてきた結果によるものだとよくわかるし、20年も続けて積み上げてきた証明みたいなものがそこにはあったという。 |
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そして3人が残った。
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- 2007/08/18(Sat) -
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![]() Twilight Of The Innocents - Ash 北アイルランド出身の3ピースギターロックバンドの5作目。 9年間バンドに在籍し、4人組となったこのバンドを支え続けた女性ギタリスト、シャーロット・ハザレイが昨年の1月、バンドを脱退した。脱退理由はバンド在籍時から始めていたソロキャリアをきちんと果たしていきたい、というのが大きな理由だったのだと思う。また前作「Meltdown」制作時には、彼女のソロデビュー作と平行して制作していたため、彼女のギター録りしか彼女はほとんどバンドのアルバム制作に立ち会わなかったという経緯があり、さらには最近のインタビューでは「Meltdown」はそんなに好きになれなかったということまで公言していて、その辺の他のメンバーの3人と彼女の間に温度差があったのは事実のようだ。さらには彼女のボーイフレンドが「バンドの1人でいるよりソロで自分の音楽の才能を披露すべきだ」という意見を強く押したという話もあり、そこで揺らぐ立場ともなっていたようだ。 それでも、彼女とってアッシュは18歳から27歳までの9年間という重要な時期を過ごしたバンドであるだけに最後ぎりぎりまで熟考を重ね、「ツアーのみでのバンド参加」ということも提案したそうだが、バンド側はそれはできないと断る。またバンドは「すでにもう4人組としての音楽はやり切った。」という意見で、彼女加入以前の3人組でやっていくことでまとめられていた、という話。結局、彼女には「バンド脱退」という選択肢しか選べなくなった。 彼女の加入によってまたさらに人気が爆発し、3作目「Free All Angels」でキャリア最高のセールスを得たというその流れを考えても、彼女のバンドに対する功労度は高く、またクールビューティなルックスの彼女に人気も高かったということもあって、彼女のバンド脱退はファンにとって、大きな失望だったということは間違いない。 またデビュー時の状態にバンドの形を戻したアッシュは、地元のガレージに再び帰ることなく、前を見据えて、27曲の新曲を持って、新境地であるニューヨークレコーディングを敢行。そして、完成に至ったのが今回のアルバムの作品だった。 前作がギターリフを中心にして楽曲を組み上げたメタリックな作風で、ダブルギターの4人組ロックバンドの勢いを遺憾なく発揮した攻撃的な作品だったのに対して、今回はコードとメロディ展開に重きを置いたものとなった。また、3人組となって身を軽くしたバンドは、バンド以外の楽器の導入も積極的に行い、ストリングスや効果的なサウンドエフェクトの使用など、これまで以上に装飾感覚を盛り込んだ、聴かせる性質の作品に作り上げた。 スタジオ作品なので、別にここでシャーロットの抜けた穴を感じることはなく、楽曲のソングライティングは変わらずティム・ウィーラーのクレジットだし、またさらにライブで鍛えて、貫禄も身につき始めた演奏力でいつも通りのアッシュならではのギターロックを展開している。たまにハードロッキンで、エネルギッシュなギタープレイが流れるところは、前作での名残か。 注目される点は、4人組だった過去を超えられるか、ということ1点だと思う。それだけインパクトを残した作品ならば良かったのだけど、そこまでには至っていないと思う。決して楽曲が悪いわけでもなく、キャッチーさもあって、アッシュらしいとこもふんだんに盛り込まれ、新境地でもあるストリングスを盛り込んだ大仰な楽曲もきちんと意図を持って、なかなか上手くやっているのだけど、結局アルバムをずっと聴いてると何か物足りなさを感じさせる。悪くはないけど、なんか上手く突き抜けなくて、パッとしない。曲はほんとにそんなに悪くないのになぁ・・・全体的に流れる少しダークな色彩感がいけないのかな。 部分的なとこを1つ取り上げれば、元々ティムのボーカルなんかも、別に今回に限ったここでもないけど、歌は上手くはなく、器用でもないだけに、またさらに大人びて、メロウになっていくアルバムの性質に少しついていっていないとこが個人的に聴いてて気になったとこではあったんだけど・・・どうかなぁ。 世間の評価はもっと辛らつで、本国UKのアルバムチャートでは最高位が32位。これまで4作、常にベスト10にチャートインし、そのうち2度もナンバー1を取ったことがあるバンドのこのアルバムの結果は急転下に近い。シャーロットが抜けたことによる失望が大きすぎたのか?それともこのバンド自体が過去のバンドになってきたということなのか?(怖) 初回盤には、3人組となったバンドのライブが新曲を含めて収録されているボーナスディスクがついているのだけど、やっぱシャーロットの穴はライブだとどうしても大きく出る。それがいい、悪いっていうこともないが、今まで入ってた慣れ親しんできた音が抜けてるという違和感は拭えない。だからといって、サポートギタリストをつけるとかそういったことはこれからもしないんだろうねぇ。3人組ロックバンドとして意志を固めたから。面白いことに、「Lose Control」や「Girl From Mars」、「Kung Fu」のような3人時代の曲には、やっぱ違和感はないんだよなぁ(笑)。それと、こういうダブルギターバンドから1本ギターが抜けた時、一番重要な鍵になるのがベース・プレーヤーなんだよなぁ、ということをなんとなく思った。 あと、触れとかなければならないのが、バンドが「このアルバムをラストアルバムにし、以降は出来上がったシングルのみをその都度、オンラインで販売、発表していく。」という話。それについての個人的な考えを申せば、「それもまた時代の流れかな。」と。別に「ふざけんな!」とか反対意見もないです。特にこの日本でも最近ではCDを30万枚売るのも大変なのにもかかわらず、オンライン(または携帯)では1曲100万ダウンロード売るのは容易になってきていて、宇多田ヒカルの曲なんかは1曲で700万ダウンロードを超えてしまっているこのご時世(近いうちオリコンもダウンロードチャートがメインのチャートになるんじゃない?)。またオンラインの色んなとこで音楽を聴けたり、映像が自由に見られるこのご時世、この加速度感覚で、1年後や、2年後を想像すると、「これも時代の流れかな。」と思うのも普通の感覚。また仮にそうなったとしても、きっとレコード会社は僕らのような人のためにその楽曲をまとめたCDソフトは必ず出してくれるだろうし、その辺は極めて楽観視してるかな。 それにアーティスト側からしても、出来あがったら面倒な手順を踏まずにすぐリリースできるというメリットは僕らが考えている以上に大きいと思うんですよね。ただ、こうしたスタイルで行く場合は、当たり前ですが1曲1曲が大事になり、これまで以上に楽曲の精度を上げていかなければなりません。それを実現できなければ、このスタイルは成功しません。そこが彼らの勝負どころです。そういう挑戦をしたかったのでしょう。 こうやってシングルダウンロード販売みたいな話を聞くとなんかすごくイマドキで、アルバムを作らないってなんか過去の良いスタイルを切捨てられた感じがしますが(そういう自分も音楽アルバム至上主義だったりしますが。)、彼らの発表の話を知って思ったのは、いわゆるビートルズなどが活躍した60年代以前のシングル主流の時代をなんとなく想像して。たくさんのヒットシングルを生んでた時代だったし、またそんな時代がやがて来るとして、そんな良い曲が現代のツールでたくさん聴けるとしたら、それは全然アリで、素晴らしいことじゃないかと。それをまたアッシュが担うことが出来たら、素晴らしいことですよね。 確かにもうアルバムが出ない、っていうのは少し寂しい思いではありますが、でも実は彼らもそうは言っておきながら、またいつかアルバム作ってくれるんじゃないなぁとも思ってたりもします。アルバムを作るっていう楽しさも彼らは知ってるでしょうから、また絶対体験したくなるんじゃない?・・・そう思うのもまた普通。 |
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まるで別のバンド。
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- 2007/08/15(Wed) -
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![]() Welcome The Night - The Ataris カリフォルニア・サンタバーバラのロックバンドの4年ぶり5作目。 結成は95年。クリストファー・ロウともう一人のギタリストのメンバー2人で4トラックのレコーダーとドラムマシーンを使いながら、インディアナ州アンダーソンの自宅のベッドルームでこつこつ自分の作った曲をデモテープに録音をしていたのが最初。そしてある日、ヴァンダルズのライブでカンフー・レコードのオーナーにデモを渡し、それが認められて、レーベル契約へ。97年にバンドのドラマーを見つけ出すと、彼らは数日でデビュー作を完成させ、リリース。 その直後、バンドはサンタバーバラに活動のベースを移すが、結局バンドはクリス以外のメンバーがなかなか一定せず、ついにはクリス一人だけしかバンドにいなくなる事態に。彼自身の生活もその時、最悪に困窮していたこともあり、その時ばかりは故郷のアンダーソンに引き返すことも考えたのだとか。それでも、かろうじてツアーのオファーがあったり、サンタバーバラで出会った友人の伝でメンバーが揃うようになり、また持ち前のDIY精神で、積極的なライブ展開も行ったおかげで、インディロックシーンでは徐々にバンドの人気も上がってくるようになったという。99年にはセカンドアルバム、2001年にはサードアルバムがリリースされ、それぞれ10万枚以上のセールスを上げるほどになっていた。 その後、カンフー・レコードを離れたバンドは、メジャーのコロンビア・レコードと契約。そして、2003年にメジャーデビュー作「So Long, Astoria」をリリース。このアルバムに収録されていたイーグルズのドン・ヘンリーのソロ曲「Boys Of Summer」のカバーが話題になり、またオリジナル曲もビルボードシングルチャート20位にランクインしたこともあり、アルバム自体も50万枚以上のセールスを上げ、このアルバムはゴールドディスクに輝くことになった。 しかし、翌2004年には、バンドのリズム隊の2人が次々にバンドを脱退。そうするとバンドは3人のメンバー(ベース、ドラム、3人目のギタリスト)をバンドに加入させることを決める。そしてさらには、チェリストと鍵盤プレーヤーも加入。バンドは7人組となって、2005年になると、新作レコーディングに突入。その年の内に完成、リリースと予定していたが、レーベルにその予定を引き延ばされ、それに耐えられなくなったバンドは去年の6月、レーベルを離脱する。バンドはサンクチュアリ・レコードの配給で自主レーベルを立ち上げ、ついに今年の2月、この新作がリリースされた。 7人組となったアタリスはそれまでの音楽性から方向をガラリと変えた。こうした方向転換はリスナーにとって、ある意味とても不親切なことのように思える。それも大ヒットした前作において、1つのスタイル、1つのイメージを築き上げてしまった後のことなら、いっそうのことである。一方で、人の好みや趣向は死ぬまで同じように一定をなかなか保てないというのもまた事実でもある。そして制作者側から言わせれば、この作品で5作目、そろそろバンド音楽の転換期に来ているという認識が強まっていたと思うのも、なんだか理解できなくもない。 前作までの彼らは、簡単に言葉で括ってしまえば、ストレートな青春パンクロック/ギターロックバンドだった。特に前作でのドン・ヘンリーのカバー曲「Boys Of Summer」での清々しい姿は、その時の彼らを最大に主張していたし、また彼らは決してエモの領域でがちっと括られることはあまりなかったが、ジミー・イート・ワールドの2001年にリリースされたヒット作「Bleed American」以降のムードも何となく、直接的ではないにしろ、感じられた部分があり、それも1つ、彼らにはあの時の売りとしてあったと個人的には思っている。 が、しかし今回、そんな彼らが持っていたストレートさや清々しさは大きく薄まり、びっくりするほどダークな色彩が作品を覆う形になっていて、それを世間では「USパンクからUKロックの方へ向かった」というのが大方の見方なんだけど、それくらいまるで別世界の音楽がそこには広がっていた。ボーカルのトーンすら、果たして同じ人が歌ってるのか、疑わしく思えるほど変わっていたし。 聴く前の真っ白な状態でのあの期待感を含め、この急激な変化、この別世界のアルバムに大きな拒絶の反応が出るのも当然で、世間一般的にも明らかにその驚きとともに、トーンダウンしていくのが明らかに感じられた。そして、僕もそれは同じだった。いくら良心的に聴いていても、このバンドの名前のアルバム作品であると認識している限り、この急激な変化を素直に聴いて、いきなり全部処理できる人はそう多くないと思う。 リリースされたのが2月で、僕もその当時に手に入れたものだけど、良い、悪いの判断はとりあえず置いといて、その時の接する気持ちの状態からもまともに向き合えることができず。かといって、変わったからって、変わったよ、ダメじゃん!とすぐに一刀両断するのも嫌なので、1度2度聴いて、どんな風なのかをある程度は認識し、その後は正常に判断できるまで待っとく、というか、「漬けとく」という状態にして。で、最近、何となく頃合も良くなってきたので、また冷静になって聴き始めているのだけど。 冷静に聴いていてもやはり複雑な気分は交錯する。でもまぁ、きちんと消化しながら、向き合えば、それほどこの作品も悪くはない。いや、聴きこめば、むしろかなり良い作品。すぐに良い!と完璧に言い切れないのは、前述の「Boys Of Summer」のような、もっと最大限に良い意味でその時のバンドの姿を強烈に知らしめ、周辺のノイズを黙らせるアンセムが存在しない、またそこまでに至っていないからだとは思う。・・・その差ってなんだろうなぁ、即効性かなぁ。 ただ作品としては上手くまとまっていて、曲同士が数珠繋ぎのようにして流れる仕組みになっていて、変に途切れることなく、とてもスムーズに作品が心地良く流れていく仕組みになっている。またもともとメロディの良さを売りにしているバンドなだけあって、その辺はきちんと気を配られていて、メロディは立っている曲が多い。その辺の不足から生まれるダルさはあまり感じない。ムードはダークだが、やっぱり変わらずメロディ主体の音楽であることは確か。 聴いていて、比較として思い出される音楽は、サンタバーバラのバンドの音楽からは想像もできないUK音楽が多く、UKの有名バンドお得意のレイヤーがかったダークでオーガニックなサウンドやマイブラのケヴィン・シールズがやってたような耽美的なサウンドが頭をよぎったり・・・それをいわゆる「ギターロックバンド」がやってる感じ?まぁ、これってこれまでの彼らのファンは確実に戸惑うにしても、今までこのバンドを見向きもしなかったUKロックファンにかなり向いてる作風なんじゃないかなぁと思う。 で、最も気になるのは、ライブではこのアルバムの曲と過去の曲をどう折り合いをつけて、やっているのかなぁ、ということで、フジロックで彼らを目撃している人たちはもうその答えを知っているのだろうけど。 |
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Summer Sonic 07
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- 2007/08/12(Sun) -
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以前触れたように、今年は12日の2日目のみ参加してまいりました。いつも2日間なので、それに比べて、あっという間に終わったという感じではあったのですけど、それにしても暑かった。特に今年は例年と違い、ほとんど外で動いていたので、服装もTシャツに短パン、ビーチサンダルという超軽装スタイルに頭にはいつもタオルを被った状態、日焼け止めクリームも必須で、1本使い切るくらいの勢いで塗りたぐっていたという。また随分飲料メーカーには貢ぎましたよね。250円の500mlを10本くらいは買ってました。あまりに暑いからビールを飲んでる余裕より、水分確保のほうが重要で、こんなにビールを飲まなかったサマーソニックも珍しかった。
*Triceratops(Beach) 定刻通り来たので、マリンのジ・エネミーと迷いつつ、アイランドステージのオーシャンレーンを観ようかと思っていたのだけど、マリン前で入場手続きをした後で、去年ビーチの傍にあったそのステージがメッセの方へ移動していたことがその時になって発覚。ああ、もういいや、行くのめんどくさい。とりあえず男は黙って海に出ろってことだな(?)、とビーチへ。ビーチに着いて確信したのは、やっぱビーチサンダルで来て正解。で、そこに待ってたのが、トライセラトップス。「サマーソニック、7年ぶりなんです。」というMCに、7年前のサマソニを急に思い出す。ああ、富士急ねぇ、出てた出てた、その演奏をBGMに座って、ご飯食べてた。もう10年のキャリアがあるせいか、ライブの仕切りはとても上手かった。どっかのCMで聴いたようなわかりやすい有名曲をやったり、ファンク調の楽曲からジャムに突入して、演奏でオーディエンスを沸かせたり、曲中でオーディエンスとコール&レスポンスを図ってみたり。コンパクトなショウながらも、すごく楽しませてもらった。 *Rooney(Marine) ほんとはこの後、ポリフォニック・スプリーを観にメッセに行きたかったのだけど、直前追加発表でこのルーニーが決まってしまったため、また厳しい決断を迫られることに。ポリさんたちは絶対観たいと思うと同時に、このルーニーもすんごい観たい。結局こういう時って、どう選ぶかって、移動のしやすさだったり、次に観たいショウとの時間だったりするんですよね。しかし、ポリフォニック・スプリーを観なかったというのは、今回のサマーソニックにおいての最大の心残りだったということは言うまでのないことで。それを考えると、ほんと愚かな気分になるね。・・・で、選ばれたルーニー。やっぱ彼らは1枚目も、2枚目の新譜も良い楽曲が多いことを再確認する。メロディがすごく良い。そして彼らがカリフォルニアのバンドで、そんな彼らがウェストコーストなポップ感覚とサウンド感覚を鳴らすということ。ギターが思ってたよりもっと伝統的で古臭い70年代的なギタースタイルだったのが興味深かったけど、しかし、そのウェストコースト感覚にそんな昔のレトロ感覚をまぶすのもまたカリフォルニアの良い意味でのレイドバックした独特の感覚をさらに引き出してて良いだよなぁ、と深く納得。そこが好きなのさ。 *The Holloways(Beach) この日、一番楽しいライブだったかもしれない。観ていた周りの人がライブ終了後に、「ロケーションの勝利だな。」と言っていたけど、それも納得。海のそばのビーチで、彼らが鳴らす軽快でからっとしたテムズビートと突き抜けたポップネスはこのビーチステージにおいて、最大に生きていた。ただ、一つ欠点があるとすれば、それは大勢が砂の上で踊って、動き回ってるため、空中に砂塵が舞い上がりまくっていて、コンタクトをしている身としては少々辛かったことでしょうか(苦笑)。しかし、もうこれって良いライブの感想を書くたびのお決まりの言葉でもあるんだけど、良い曲やその支持を受けている曲、また馴染みやすく、ノリの良い曲をたくさん持ってるバンドのライブは無敵、ってことで。このバンドも、まだデビュー作しか出ていない新人でありながら、次々にヒットソングのような楽曲が飛び出していて、それらが始まる度に好反応、歓声が上がっていたっていうのは、もうそれだけで勝利が約束されたようなもの。あとはみんなひたすら笑いながら、各々で踊りに興じているっていう。ショウの時間がそんなに長くなかったのが惜しまれる。 *Bright Eyes(Sonic) 今回、メンバー総勢13人もの「楽団」を引き連れてきたコナー・オバースト。うち6人がストリングス部隊。さらに特徴的だったのは女性のパーカッショニストがいて、時にはその彼女もドラムも叩くため、セット自体はダブルドラムなセット。全員白服の正装で、ポリフォニック・スプリーを思わせた。もうほんとこのバンドのライブは素晴らしかった。この日のベストライブは迷わずこのバンド。コナー・オバーストはものすごいカリスマだった。彼は楽団の指揮者のように振る舞い、バンドの演奏を引き連れて、歌を真ん中で歌う。圧巻だったのは、「Hot Knives」時に突然予想外にも演奏中のバンドを止めさせ、何かドラムに?指示し、直後パンチインしてまた始めるという、あまりにかっこ良すぎな場面。あまりにショッキングでかっこ良すぎなので、久しぶりに鳥肌が立った。そして最後の曲の終わりのほうになると、バンドの一人一人の場所にコナーは全員巡って、頬にキスしたり、ハグをしたり・・・。何かそれもすごく素敵な、温かい場面だったので、なんか感動して泣けてきてしまって。これでポリフォニック・スプリーの穴は埋まったような感じがした。 *Manic Street Preachers(Marine) この日のマニックスは間違いなくギターロックバンドだった。いきなり「You Love Us」から始まり、今まで観たことがなかったほどに、ものすごいギターの音圧で、オーディエンスに襲い掛かってくる。これが新譜以降できっと示したかった「重厚なサウンドを持ったギターバンドへの回帰」であり、またこれがブリットポップ以前からも存在し続けるマニックスの一つの原点である、ということがここで再確認されるのは容易なことだった。もちろん、昔に比べたら、圧倒的な貫禄を身につけて。そしてジェームスの訛りのきつい英語のMCからスタートするヒットソング、アンセムの数々に観客は酔いしれる。それらは新譜の背景となった自らの作品「Everything Must Go」からのタイトル曲や「A Design For Life」なども当然含まれる。セットリストは新譜中心にせずに、満遍なく演奏される形となり、マニックスがいかに素晴らしいウェールズの、偉大なロックバンドであるかというのを真っ当に証明して見せたものになった。もちろん、それはオーディエンスが観たかったものときちんと一致していた。 *Sean Lennon(Beach) このぐらいの時間(18時)になると、夕暮れ時で浜辺の風も気持ち良く、暑さから疲れた体をぐっと癒すものになってきた。そこで登場してきたのが、ジョン・レノンとヨーコ・オノとの間に生まれたたった一人の愛息、ショーン・レノン。まぁ、実際はもう毛むくじゃらのオッサンなのですけど(笑)、でも、これがあの・・・って思うとなんかね。これって例えば長嶋一茂を見るようなもんか?と想像するも、まぁ違うよな、と(笑)。そんなショーンさんは出てくるなり、しんみりと「あー、綺麗ですね。すごく気持ちよくて。」などと日本語を結構普通にお話になるので、オーディエンスとのコミュニケーションが上手く流れてる感じで。「あー、僕は仮面ライダー好きですよ。・・・あ、ウルトラマンも好きですよ。ウルトラマンタロウって知ってますか?僕、名前タロウで一緒なんですよ。僕、ショーン・タロウ・オノ・レノンっていうから。」とか言いながら、普通の会話を。横文字の単語や外国人名もあえて英語発音でなく、日本語発音を気にしつつ、話そうとする姿勢が微笑ましかった(笑)。ライブの方は、もっとただ淡々と自分の曲を演奏していくのかと思いきや、意外に途中で原曲から外れてしばらくジャムをしたりする仕草もあったりして、随分とフレキシブルさを問われるバンド演奏になっていました。最後にはTレックスの曲のカバーをして、またジャムに突入していたりしていたしね。とにかく彼のライブは、バンドの音楽のムードとショーンの歌声が夕焼けやその時間のビーチのムードと同調して心地良く流れていたのが印象的で、そこでみんなまったり癒されてました。そこがポイントだった。まぁ、主催者側のブッキングがそれを狙っていたのは間違いないね。 *Yanokami(矢野顕子+レイ・ハラカミ)(Beach) 夕暮れの海の美しさを堪能した後、何を観ようかと迷った挙句、矢野さんを観ようと。かといって、そんなにじっくり最後までじっくり観るつもりもなかったんですけど、でもやっぱりあの人のステージを観てしまったら、どんどん引き込まれてしまって。凛と響き渡り、自由に舞う彼女の素直な歌声を透明感のあるピアノの音と一緒に聴くと、とてもあったかくて、何かに優しく包まれた感じで、そしてそんな空気に何だかきゅんと恋に落ちてしまう、そんな不思議な感じで。たまに絵とかで、そういう恋に落ちてしまう感覚に陥る絵って見たりすることもあるけど、音楽ではこういう風なのはあんまり意外にないんですよね。それが彼女の圧倒的な個性というべきか。矢野さんはMCでも歌を歌ってる時と同様、柔らかい口調で、とっても優しいお母さんみたいな話をされる方で、表現しつくせないほどのすごくチャーミングな女性。そんな彼女のステージを観られてすごくうれしくて、良かったです。そして、それにさらに華を添えるサンプラー電子音の使い手のハラカミさんの装飾も、矢野さんの世界にはすごく合ってて、透明感のあるサウンドと上手く流れていくビート展開が絶妙。お二人自身はポジ派ネガ派の対極にあるパーソナリティ同士っておっしゃっていましたが、音楽では見事融合してました。また日の暮れたビーチっていう環境がぐっとムードを盛り上げましたね。 *Arctic Monkeys(Marine) これは観たといっても、最後の2曲だけに間に合ったという感じ。まだ2枚しかアルバムの出ていない新人バンドがいきなりサマーソニックのスタジアムでの大トリということもあって、主催者側としてもチャレンジで、良くも悪くも大きな話題性を振りまいていたわけですが、実際は例年のこの場面にしてはやはり勢いはなかったですね。例えば、オーディエンスの数を見ても、ガンズやレディオヘッドの時に比べたら、その差は歴然で、こんなにスタジアムのスタンドががらがらだったのを観たのも初めてっていうか。失礼な言い方になってしまうかもしれないけど、ナイン・インチ・ネイルズでももっとずっと埋まってたから、やはりまだ早かったかなぁ、という印象は否めず。裏はオフスプリングだったわけだし。だからといって彼らが悪いっていうわけでもなく、彼ら自身は一生懸命奮闘しておりました。僕が観ていた2曲の中でもミスタッチなんかもちらほらあって、演奏力としてはまだまだ未熟でしたが、もう少しゆっくり温かく見守る必要はあるかなぁという感じでした。彼らが披露するアイディアは良いものが多いし、また先の将来性は高いと思いますので。 |
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あーもう待てない。
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- 2007/08/10(Fri) -
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![]() まだ出ない。まだ出ない。まだ出ない。 やっぱスティーブンのドラムがあってこそ、フレーミング・リップスなんだよなぁ。 クールすぎるよ、スティーブン。 そして、カオスのステージと笑顔で狂いまくるオーディエンスが愛おしい。 Race For The Prize She Don't Use Jelly Yoshimi Battles The Pink Robots Pt. 1 http://www.youtube.com/watch?v=tKfOq2CmdzM |
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ルーツに戻る。
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- 2007/08/08(Wed) -
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![]() Sky Blue Sky - Wilco イリノイ州シカゴの6人組バンドの3年ぶり6作目。 ウィルコは、オルタナ・カントリーバンドの先駆けとなったアンクル・トュペロというバンドが2つに分裂してできたバンドで(もう1つはサン・ヴォルト)、結成が94年。彼らが本格的に知られ始めたのが、ノンサッチ・レコーズとサインした後の2002年の4作目「Yankee Hotel Foxtrot」の時で、奇才ジム・オルークとの共同プロデュースすることにより、オルタナカントリーという領域からさらに独自性を出すべく、さらに実験的な方向へ向かったこのアルバムは、結果として60万枚のセールスを得て、キャリア最高のセールスを記録することになる。 そして、その次の5作目「A Gohst Is Born」では、再びジムと組んで、さらにそのムードを推し進め、さらに高い評価を受けることになり、ローリング・ストーン誌などのメディアからは絶賛、また2005年のグラミー賞のベスト・オルタナティブ・ミュージック・アルバムを獲得することになった。 そしてこのアルバム。発売週で87000枚のセールスを記録し、ビルボードアルバムチャート4位にランクイン。本国では高い人気を維持している。 おそらくこの「カントリー」という慣れない音楽的要素が強いゆえに、北米での彼らの人気がこの日本ではピンと来ないとこではあると思うんですけど、日本の音楽雑誌紙面上で大きく話題を呼んでいるバンドたちが意外にもアメリカのクラブをこまめに回っている一方で、このバンドが数千人クラスのホールツアーを回っているという様子を目の当たりすると、そのシーンのムードの違いにとても興味深く感じられるわけですが。まだ来日回数も多分1回しかないこの国に比べたら、確実に向こうでは彼らの音楽が根付いてる感があったりして(まぁ、ファンの年齢層は少し高いかもしれないけどね。)。 前2作のジムオルークとの実験的なやり取りが薄れた今回の作品は、彼らの元々のルーツ音楽の方向へ戻った感じで、それでいてスケール感の大きい音楽と生演奏に徹している感じで。よく耳にする「オルタナカントリーから大きなアメリカンロックへ変化」という現象に、彼らの高い演奏技術や表現力とともに真正面から取り組んでいったようなアルバム。聴き慣れない人にとってはルーツ音楽独特の渋みが変に目に付くもしれないものの、ビートルズやビーチボーイズとか、そういった馴染みの良い古き良き音楽の影響も強く出てたりしていて、その辺個人的に好印象。 分裂前のバンドも含めると20年も音楽活動している人たちなので、もう音楽の節々から感じられる貫禄だとか、演奏の表現力、説得力とかはさすがの領域。歌の心地良さやハーモニー、華やかな鍵盤の鳴り響きやギターの演奏とそのトーンの美しさに聴き惚れる。ほんとゆったり、穏やかなな気持ちにさせてくれる。これってルーツ系音楽ならではの贅沢な空間なのかも。 これが生になったら、もうヤラれてしまうのは目に見えているような。そういえば、ライブ会場にいた地元の人に「ウィルコは最高のライブバンドなんだよ!」って言われたんだっけ。この作品の前のライブアルバムも最高だったしなぁ。 |
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心霊主義者たちが集うフロリダの町の名前だとか。
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- 2007/08/05(Sun) -
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![]() Cassadaga – Bright Eyes(スタジオライブ) アメリカ中部に位置するネブラスカ州の最大都市オマハ出身のシンガーソングライター、コナー・オバーストによるソロユニットの2年ぶり7作目。 元々このブライト・アイズは、彼がコマンダー・ベニューズというバンドに属しながら、自身のサイドプロジェクトとして、ずっと活動していたもの。10歳の時にギターに触れ始め、次の年にはもう作曲をするようになったという。そして、まだ13歳だった彼は、当時ランバージャック・レコード、後のサドル・クリーク・レコーズの第一弾アーティストとして93年に契約、すぐさまミュージックテープによる作品リリースをして、早くもキャリアをスタートさせている。 ボブ・ディランやニール・ヤングなどの偉大なシンガー・ソングライターと比較され、若くして、感情の破綻やその迷いや苦しみから傷ついた気持ちを歌にしていた彼は、とりわけメディアからも評価が高く、徐々にリスナーも彼を支持し始め、2002年リリースとなる4作目となる作品では、25万枚以上のセールスを記録し、スマッシュヒットに結びついた。 彼がさらに大きくブレイクしたのは、2004年の大統領選挙時にブルース・スプリングスティーンやR.E.M.らと展開した「Vote For Change」ツアー後にリリースした「Lua」と「Take It Easy(Love Nothing)」という2枚のシングルで、その2枚は当時のビルボードシングルチャートの1位、2位を独占するという快挙を得て、広くその名を知れ渡らすことになった。また翌年、その2曲が収録されたアルバム作品は、1枚はフォークアルバム、もう一枚はデジタルなロックアルバムの2枚同時リリースとなり、両方ともビルボードアルバムチャートの20位以内にランクインした。 その2年後のアルバムが今回のアルバムで、リリース初回週に58000枚を売り、ビルボードアルバムチャート4位にランクイン。これまでの10数年の彼のキャリアの中で最大の週間セールスを記録したという。 端的に言って、今回の彼のアルバムは本当に素晴らしい。個人的にすごく好きなアルバム作品となった。ボーカルハーモニーの利いたオルタナティブ・フォーク&カントリーベースの作風に加えて、アイリッシュトラッドなどの要素も加わり、さらにこのアルバム最大のポイントとなっているのはストリングスの導入で、それが音楽全体に今までになかった豊潤なムードをもたらしている。 こういう音楽的に懐の深さを感じさせる上に、自身の歌を聴かせてくれるSSWアルバムは大好きだ。前述の通り、ボブ・ディランや二―ル・ヤングをほのかに髣髴させるフォーキーなムードにまったり身を寄せつつも、それだけではなく、ビートルズや70年代のエルトン・ジョンなどの姿も色々ちらちら所々で過ぎる感じが何度聴いてても楽しい。 このアルバムは60分を超える長いものであるにもかかわらず、一気に聴き通せてしまう音楽の揺ぎ無い安定感と心地良さを宿している。これは濃密な曲アレンジによるところも大きいが、曲のメロディに聴きあたりの良さがあるという意味でも大きいところだろうと思う。 そしてやっぱその音楽の中心にある彼の歌は良い。とても繊細にして内省的な色が濃い彼の歌だけど、こういう華やかでリラックスした音楽をバックに歌うと、その歌は響き渡るように広がって、こっちの聞き手の胸にすっと入ってきて、その痛みや不安も癒される感じで。これまでの痛々しさも残したエモーションを炸裂させていたエッジーな作品とは趣が違っている。 |
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クールで高性能な街中音楽。
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- 2007/08/02(Thu) -
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![]() It Won't Be Soon Before Long - Maroon 5 ロサンジェルス出身の5人組の5年ぶり2作目。 あの彼らのデビュー作「Songs About Jane」でのR&Bやモータウン、ソウルミュージックを大きく飲み込んだポップロックバンドミュージックの聴き心地良さとそれを聴く人々への浸透度と広がりは凄くて、まぁそれはそれは売れましたね。これまでにアメリカ本国だけでで600万枚、全世界では1000万枚を超えるメガヒットに。 これはあの当時に向こうの大陸に住んでいた経験からも言うのだけど、もうとにかくあのアルバムの曲はよく流れてた。テレビメディアのみならず、ショッピングモールとか、ああいう場所でも、いわゆる「街頭音楽」として大量に流れていた。このタイプの音楽は、よく音楽に付きまとうようなリスナー年齢層を狭い範囲で限定してしまうわけでもなかったし、色んな意味で、どこで流れてても嫌味にならない音楽の持ち味があって、それでいて時代のクールな流行歌として持続的に耐えうる楽曲のレベルの高さやヒップさも持ち合わせているというとこで、これだけのヒットを得るのは必然だったのだろうと思う。そしてそのやり口は言語の違う日本でも、CMで大量に流れるなどして通用したのはご存知の通り、CDセールスも50万枚を超えるビッグヒットになった。 このセカンドアルバムも、基本路線は前作とほとんど同じ。あの艶やかでソウルフルなボーカルの流麗さとロマンチックさに耳を奪われながらも、聴き心地抜群のメロディがポップな調子でアルバムをずっと引っ張り続ける。そう何度も聴かなくても、すんなり馴染んでしまう親しみやすさがあって、その強みに揺るぎがない。またこれもホットでハイスペックな街中音楽として成り立つのが容易に想像つく。その辺、無敵だろうと思う。この無敵さ、マイケル・ジャクソン並みかも。 相変わらずポップで良い曲が揃っている。アルバムの最初の方はやはりシングル曲などがあって、アルバムの顔ともなるからか、その分ぐっと力の入ったヒップなアピールになってるんだけど、自分の中ではアルバム中盤くらいからの方が良い感じになっていって、アルバムの終わりまで一気に聴かせてしまう感じが良いかなと思う。 このバンド、いくらモテモテで洒落たR&Bやソウルみたいな音楽やってても、そんなロックな部分を全部捨てきらないとこが良いんですよね、実は。共感を呼びやすいポリスっぽい曲もあったりするしね。根は案外結構当たり前のようなロックバンドスタイルっていうか。それがよりずっと普遍的に、大衆的に保てている安心感の要因にもなっているのだけど。7曲目とか10曲目とかで突然歪んだハードなロックギターが入るとこがまた微笑ましいけどね・・・アレ、彼らってAC/DCのカバーもライブでやってたんだっけ?(笑) |
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