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こっちにあって、あっちにないもの。
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- 2007/07/30(Mon) -
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![]() Favorite Worst Nightmare – Arctic Monkeys 英国シェフィールド出身の4人組の2作目。 インディバンドの身でありながら、デビュー作はいきなり世界で200万枚以上のセールスを上げて、時代の寵児となってしまった彼ら。それも雑誌メディア等のこれまでの伝統的なプロモーションによるものではなく、オンライン上での無料デモ音源の流布やマイスペース等による口コミや評価によって、一気に人気が過熱するという、最も今時の現象によってそれは生まれた。 そして、早くも2枚目。前作からたった1年3ヶ月のリリース。ほんとはきっかり1年で出したかったらしいが、そもそもこの人気の上でのこのハイペースリリースは尋常ではない。また、さらに今年のうちに4枚のシングルを切り続け、そんな中で当然B面の新曲も放出し続ける。決して嫌な意味でメジャー化せず踏みとどまる姿勢を取り続けるが興味深い。 あれだけ話題になり、あれだけ売りまくったデビュー作だから、今回の作品がその比較から逃れることは難しい。何となく他の人の感想を読んでると、大体そのような比較論調が多い。個人的な感想をいえば、そんなにデビュー作と今回の作品に優劣はないと思う。ただタイプが少し違うだけという感じ。 若さゆえの性急さや焦燥さの色が濃かったデビュー作は、楽曲のフックを多用した、聴くにはかなり刺激的な作品だった。塩味の利いた刺激的なスナックを味わったら、次も同じように刺激的なスナックを味わいたくなるものだけど、彼らはそれを選ばなかった。むしろ、刺激より聴かせる方に走ったのが今回の作品で、ここで作品の性格が大きく違う。それを早いうちに理解しないと、このアルバムのイメージを落とすことになるかもしれない。 個人的に好きなこのアルバムの場面は、6曲目のまったりスローナンバーから7曲目の徐々に盛り上がって爆発に向かっていく過程だったり、最後を飾る曲のサイケテイストで、徐々に上がっていく高揚感が心地良かったり・・・それらはこのアルバムならではのもの。 アルバムの冒頭のパンチインで、今回のドラムは前と違ってすげーぞ、と言いたげな感じが微笑ましいが、このドラムの進化が今回のアルバムの好材料で、この冒頭の過激さ後も、ミッドテンポの曲を懸命に叩き、このバンド音楽の土台をより強力なものにしている。前作でもチキチキいいながら、懸命に叩く姿が聴きながら簡単に想像できたが、さらに見違えるほど体力をつけて、またチキチキいいながら、叩いている(笑)。 このアルバムを聴いてて何となく思うのは、今回の作品と前作の性格の違いを上手く利用して混ぜ合わせ、流れ良く上手く並べて聴くと、もっと緩急のついた感じで、もっとより良く今の彼らの音楽の姿に接することができるんじゃないかっていう気がして、そうすれば前作の曲が流れる際にはもっと刺激的になると思うし、今作の曲が流れる際にはもっと印象的に映えるように様に映るんじゃないかって。実際この2作がたった1年3ヶ月の短い時差だけに、それはきっと可能なんだよね。しかも、どっちのアルバムより強力になる。・・・ちょっとそんな妄想が広がりました。 |
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だいぶ成熟。
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- 2007/07/27(Fri) -
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![]() Our Earthly Pleasures - Maximo Park(スタジオライブ) 英国ニューキャッスルの5人組の2年ぶり2作目。 全くロックミュージックとは縁のなかった、エレクトリックミュージックを主体としたレーベルのワープ・レコーズが初めてロックバンドと契約したのが当時新人のこのバンドで、周囲を驚かせたわけだけど、その後、フランツ・フェルディナンドやフューチャーヘッズらのヒットに続き、このバンドも、ぴっちり横分けのフロントマン、ポールスミスの個性的なルックスとパフォーマンスの話題性などからの人気も重なって、リリースされたデビュー作は英国アルバムチャートの15位にランクイン。結果的には世界で50万枚のセールスを上げた模様。さらにはリリース同年のマーキュリー・アワードにもノミネートされるという公の評価も得た。 そして今回、エコバニ、ピクシーズ、フー・ファイターズ、フィーダー、ジミー・イート・ワールドなどの作品を手がけていた有名英国人プロデューサーのギル・ノートンを迎えて、制作された2作目。アルバムはリリースされてからは、本国アルバムチャートで2位にランクインしたらしく、なかなか世間の食いつきの反応は良かったみたいで。 今回の作品では、嬉しいことに前作時に自分が書いた不満が大分解消されていた。バンドのステップアップに比例して、全体的に骨太なロック気質になり、内容もより成熟したものに。そこが端的に説明できるこのアルバムのイメージだろう。 楽曲内容としては、XTCのようなポップでひねくれたとこや、ニューウェーブとパンクを掛け合わせたような基本路線は今回も前作とそれほど大きな相違はないものと思う。つまり延長線上といって良い。ただ、一方で成熟さを目指したとこで前作から失った部分もあり、特にこの作品で顕著なのが、奇天烈な楽曲展開やそこで生まれたフックを起点に、狙ったかのようにがーっと畳み掛ける場面が減ったことによる性急さや焦燥感が減退していて、他の人の感想を読むと、聴いた印象としてそこが1つの評価の分かれ目になっていることもあるみたいだ。 しかし、破天荒な楽曲展開と性急さが生むポップカオスを並べたて、一枚のアルバムを乗り切っていた前作に比べると、今回は彼ららしい基本的なスタンスを持ちつつも、奇をてらったフックばかりではなく、真っ当に良いメロディを楽曲にきちんと配備するということにもっと視点を向けたことによる、ごく普通の聴かせどころがもっと増えたという意味では、かなり前向きに作品を心地良いものにしているし、それを高く評価できるアルバムになっていると思う。以前に比べたら、もっとバランスの良いアルバムになって、より良いものに仕上がった実感がある。 最初はあの独特なキャラクターと曲の奇天烈さが目立ち、興味本位や面白さが先行していたということもあったが、それだけではないユニークさと充実感をこの作品で証明したと思う。これを聴いたら、次が楽しみになった。次はさらに幅を求められ、より成熟した、本当の勝負作になるとは思うけど、このままの彼らならその期待に応えてしまうだろう。 |
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永遠の少年。
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- 2007/07/25(Wed) -
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*今年の夏フェスは結局、サマーソニックに行くことにしました。とは言っても、今回は2日目だけ。ほんとはもう今年はパスする気満々だったのですが、ショーン・レノンが出ると発表されて、やっと行く気が起きたっていう・・・。ショーンも11月にまた単独があるので、それでも良かったのですが、ショーン・レノンをビーチで観られるっていう違和感抜群、いや、ある意味小屋でなく、ビーチっていうシチュエーションも面白いかも、きっとこんなの今回しかないだろうしなっていう変な興味だけが引っ張ってる感じなんですけども。そんでもって、どうせならビーチでずっと佇んでようかなっていう恐ろしくローな気分だったりもして。・・・暑さに耐えられるかな?逆にものすごい悲惨な風雨だったりして(・・・笑えない。)。
とか言って、なんとなくタイムテーブルを見てみると、どうせ行くなら、これも観ようかな、あれも観ようかな、と欲がふつふつと沸いてくるのですが、密かに観たいなって思っていたモーターヘッドがいきなりショーンと被っていて、がっかり。60超えてもいまだに絶倫キャライメージのレミー閣下(しかも、自分の父親より年上だし。/驚)の凄まじいベースプレイを生きてるうちに一度くらいは生で拝んでおきたいと思ったのですけど、そもそもショーン・レノンを観たいと思ってる人が、モーターヘッドも観たいって思う人はたぶんほぼ皆無に近いわけで、タイムテーブル作ったヤツのバカ!!などとはそんなに思わないわけです。・・・でも、マニックスも被せるのはどうなのよ!とはちょっと思いました。っていうか、カサビアンより後じゃない?(とか言っていい?)あと何観るかなぁ・・・。フラテリズは前に観たから、今回はあんまりいいかなっていう風で、セカンド後の機会にしておきたい感じ。あとポリフォニック・スプリー、ホロウェイズ、ブライト・アイズかなぁ・・・でもメッセとビーチを1公演ごと往復って絶対無理だ・・・やっぱビーチでずっと佇むか。 行かないけど、1日目に目を移すと、やっぱ観たいと思えるのはグー・グー・ドールズ。グーズほどのバンドがなぜか昼間のたった40分しかもらえないってほんとひどい待遇だけどなぁ。単独でもやんないかなぁと期待するも、サマーソニック終わるとすぐロンドンのハマースミス・アポロ、Vフェスが待ってるので、まぁ、無理か、と。サマソニ前にUSツアー後1週間空きがあるけど、そこはきっと家族で短い休暇だろうから、この機会は多分無理。仕方ないので、豪雨のライブDVDを観て、我慢します。あと観たいと思うのは、マリンのトップバッターのピペッツっていう女の子3人組。めちゃくちゃ60年代テイストの「現代のロネッツ」。あと、ビートルズ前半って感じのロックスリー。それとモロ被りのOKGOももちろん観たいけど、こんなショーケースじゃなくて、やっぱフルショーで観たいなぁ。あとは、ダイナソーJr.とかトラヴィスとか・・・。そして、行くなら密かに是非観たいのが、中山うりっていう人で。この人、アコーディオン弾きながら歌うの。かなり新鮮な響き。しかも彼女は、元々はアコーディオン奏者じゃなくて、コンクールにも優勝してしまうくらいの腕前のトランペッターで。でもって、ミュージシャンで生計を立てているのかと思えば、美容師も兼業でやっているという、大変ユニークなキャリアの持ち主。この日の参加アクトで一番観てみたいのは彼女かも。 ま、こんな行かない日のことをだらだら書いても行かないので、ただ書くだけなんですけど。もし、こんな文章を読んで当日行くという人がいましたら、適当に参考にしてくださいまし。僕は、「行けば良いじゃん!」と良心的な周辺に囲まれながらも、維持張って仕事しておきます。 *なんか映画観たいと思って、ツタヤ行ったら、「悪魔とダニエル・ジョンストン」っていう映画が置いてあって、びっくりした。まさか置いてあるとは思いもしなかった。しかも、1本ならず、3本もあったっていうのが、ダニエル・ジョンストンという人の知名度を考えると衝撃。この郊外のツタヤに。やっぱ誰も借りてなかったけどね。 ダニエル・ジョンストンというシンガーソングライターがアメリカにいるんですよ。90年代のインディシーンではものすごく評価され、かなりカルト的に、特にそのシーンで活動するミュージシャンたちには絶大な支持をされた人です(ただメジャーの場ではまるで売れなかったけども。)。で、その映画はその人の半生を綴った記録映画なんです。ここで彼についての話をすると、とてつもなく膨大な量になってしまうので、もし興味があれば詳しくはここを読んでもらうとして。 彼は極端な狂気と才気を躁鬱状態で行き来する、多くの人間が組み上げたこの社会においては、ただ「とんでもない化け物」、「変わり者で厄介者」と称せられる人だと思うんだけど、実際の彼の本質的なことを言えば、突き抜けてナイーブで、一点の曇りもないピュアな心を持った人で。彼は、同じく決定的な挫折感と大きな否定を味わい、ベッドルームに引きこもっていってしまったブライアン・ウィルソンとよく比較される人なんですけど、ブライアンもそうなんだけど、あんなオジサンになっても、あんなに透き通った目の奥をいつまでも持った人はいないんじゃないでしょうか。彼が行ってきた数々の罪が一般的に到底受け入れられるものではなかったとしても、それが映画の中でずっと物語っていたのが、すごく印象的で。 特に初恋の人、ローリーとの間の件は切ない。はっきり言ってひたすら片想いなだけで、その状態といったら、ほとんどストーカー紛いな感じなんだけど、彼はそれも純粋に自分の絵や曲に込め続けてた。それも20年間もひたすら!それを「ダメな男」、「キモい男」として、ばっさり切り捨てるのは簡単だけど、どんな執着心の強い男でも、20年間も1人の女性について、「君は美しい。君は素晴らしい。」という曲を延々作り続けられないでしょ。普通ならどこかで見切りをつけて諦める。が、彼の場合、その後にちょっと気になる女性ができても、「君はローリーじゃない」っていう曲を作るんだから、もうその純粋さは神がかり的。 で、これは映画中ではなく、ボーナス映像の一コマなんだけど、映画祭の試写の場に、ローリーが何十年ぶりかにダニエルの前に現れたんですよね(彼女はもう旦那さんとは離婚していた。)。20年間も自分についての歌を作り続けていたという事実を素直に喜びながらも、自分を過大評価されすぎた様に思えて照れて、また何となく時々戸惑う仕草もある彼女をよそに、ダニエルはもう死んでもいいっていうくらい喜び、運命の人を何度も抱きしめる。もう絶対放したくないって。・・・もうここまで来ると切な過ぎてね。それでも彼女には彼女の人生があるわけで、それを選ぶ権利を持ってるのはもちろんなんだけど、彼にとってはただひたすら純粋な気持ちだけしかないから。こうまでだと、肉親の再会並みに気持ちが深いんですよねぇ、なんだか。 この映画のすごいとこは、膨大な彼の記録映像。元々、彼は学生の頃から何でも録音テープや8ミリ映像などで録っておく人で(お母さんのお説教まで!)、こうしたものって後追いで作ったものではなかなかリアルに表現できるものではないから、そこがやっぱ圧巻。適当にプリクラ撮って集めたり、携帯カメラに写真を収めるのとはわけが違う。それは自らの信念を全部映し出しているかのようだった。 *仙台銘菓の「萩の月」を買ってきてもらった。っていうか、買ってきてくれと無理にせがんだわけですが。大好きなんです、萩の月。誰か仙台に行く人がいたら、買ってきてもらうとずっとチャンスを狙ってたくらいですから。 ものすごく久しぶりに食べたけど、改めて絶賛の嵐でしたね。これを越えるお菓子ってないんじゃないかって思う。あの濃厚なカスタードの味わいは他ではないものだし。それをまた柔らかいカステラでふんわり包み込む・・・。マーベラスで、アンビリーバボーなお菓子です。・・・仙台だけずりーよなー、ちくしょー。 |
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クラシックロック万歳。
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- 2007/07/23(Mon) -
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![]() Heart Tuned To D.e.a.d. - Switches 英国サウスエンドの4人組インディロックバンドのデビュー作。 バンドのソングライターであるマット・ビショップが若かりし頃からソングライティングに夢中になり、そしてその自宅で書き溜めてきたものを、彼の学生時代の友人たちや周りのバンド仲間の助けを借りつつ、クラブを回ってバンド演奏をし、またレコーディングし、今のメジャー契約を手にして、現在に至るっていうのがこのバンドの成り立ちのよう。 彼らのやっているのは、ここ最近の流行のパンク〜ニューウェーブの音楽ではなく、もっとそれ以前の70年代前半の英国のクラシックロックを踏襲したもので、主柱になっているのが、Tレックスのようなグラマラスでノリの良いギターロックだったり、クイーンのようなボーカル多重録音の甘美でビッグなロックだったりする。それに加えて、10ccだったり、デヴィッドボウイだったり。そしてリアル体験したと思われるブリットポップの要素。さらに面白いのは、ウィーザーのような90年代のUSパワーポップっぽい影響も音楽からは流れており、さらにその異端さに拍車をかけているのが刺激的。 かしこまったインテリ気味のロックバンドの多い中で、こうしたビッグなクラシックロックをモチーフに、現代のリスナーにもわかりやすく簡潔に楽曲をまとめて、ラウドに突き抜けた演奏をしてくれる様は、ほんとに痛快で、また楽曲自体も相当キャッチーだし、2、3回聴けば曲を覚えられるっていうのが素敵。 クイーン色の濃いミーカやTレックスの影響が強いフラテリズが大ヒットしているこの2007年、このわかりやすさでまだ今のところ本国ではヒットに結びついていないのは残念だけども、これは聴けばかなり病みつきになる一品であることは間違いないです。 |
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マイアミから?
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- 2007/07/20(Fri) -
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![]() Self Title - The Postmarks(スタジオライブ) フロリダ・マイアミの3人組バンドのデビュー作。 これは一言、このジャケットを見たままの雰囲気やイメージが音楽になっている、といって良いと思う。もし見て通じ合うものを感じたら、必ず手に取り、もし全く興味が沸かなかったら、この音楽には縁がないものかも? この昨年結成されたというこのバンドは、出身は明るい南国イメージのマイアミだけど、音楽はまるでそのイメージとは違う。実際流れる音は白昼夢のようなドリーミーかつポップ度の高い伝統的なサウンドで、そしてその上をとっても甘美でハスキーな歌声で、抜けた感じで歌う、優しい女性ボーカルが乗っている。これって到底あのマイアミからはイメージできるサウンドではない。そこが驚き。 あんまり詳しくは知らないけど、こういういとも簡単に比較できそうな、カヒミ・カリィやら、お洒落なフレンチ・ポップスみたいな甘く抜けた歌い方する、キュートな女性ボーカルアルバムっていうのは、ほんとに好きな人って結構いるとは思うんですけど、まさにそういう人たちにとっては、恐ろしくストライクなアルバムだと思います。 別にそういう音楽が僕は飛び上がるほど大好きってわけではないんだけど、これはかなりイケます。スローで甘ったるい雰囲気の中で浮かび上がってくるメロディはとても印象的なもので、そんなにこれ専門じゃない僕でも良い感じ。このメロディセンスの高さはさすが。そこが自分の中では生命線だったと思う。ただ甘ったるいだけなら、タルくなっちゃうだけだから。音の装飾も良かったけどね。 このアルバムのミキサーがタヒチ80やIVYでお馴染みのアンディ・チェイスで、その辺もポイントは高かったかも。まぁ、別にソングライターではないけど。また、タヒチ80やジェイムス・イハなどがそれぞれリミックスでやってるとこも注目を集めるかも(日本盤のボーナストラックでそれは聴けます。)。 |
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キスの相手は奥さんだってさ。
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- 2007/07/17(Tue) -
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![]() Tutu To Tango - Axe Riverboy フランスのタヒチ80のフロントマンであるグザヴィエ・ボワイエのソロプロジェクトのデビュー作。 正直なとこ、彼がバンド本体とは別の場で作品を出すというのは、少々意外なとこでもある。なぜなら、彼の音楽的欲求は、タヒチ80というバンドの頭脳を担うことでほとんど解消されていると・・・まぁ、勝手に思っていたとこがあるからで、ソロを出すくらいだったら、別にタヒチでやればいいんじゃん?って思うのもまた素直な思いでもある。でも、この作品を出すからには、彼自身はそれをやる意味を見出してるからであって、そのところが最も大きな興味であった。 そもそもこの手のケースでのバンドとソロの差別化というのは、よほど意図的にしない限りは難しかったりする。大概、欲を出して、ソロでやってみたりするものの、結局同じ人間がやってるからか(そしてゲストまでバンドメンバーが混じったりしていて、)、やっぱり本体のバンドの音楽と似たり寄ったりするもので、よほど器用だったり、その人の音楽的引き出しが豊かでないと、その差別化は難しい。 ・・・とか言っておきながら、そもそもその本体のバンドのタヒチ80は、作品ごとにその音楽の色を変えていったとても器用な音楽集団である。最初は、60年代からの伝統的なポップセンスを交えたギターポップからスタートし、現時点で最新作の3作目では、オーガニックさを前面に出したポップミュージックを展開、変化した前作からは想像もしない「ポリッシュアップされたヒップホップビート+タヒチ流のポップネス」というまさかの組み合わせ異色作であった。デビュー当時から、オリジナルとは別に打ち込みのリミックスなどを何種類も出していた彼らだけに、こうしたオリジナルアルバムの進み方は、ついに本性を現してきたな!感が満載であったのだけど、その変化に怖じけることなく、進んでクリエイティブティを発揮した器用さはさすがだった。良い意味でその辺の、バンドの看板と思われている、何が何でも俺たちのギターポップ!みたいな気分はバンドにはきっとないに違いない。・・・その手の話は次のタヒチの新作でもきっとまた繰り返されるだろう。 そんな器用なバンドの頭脳を担う彼のソロ作だからか、バンドの作品の先を追うかのように、ヒップホップビートが飛び出すわけもなく、実際作品から流れ出してきた音楽も、伝統的なポップとアコースティックな質感を持った彼自身を中心に置いた作品、実に個人的な、シンガー・ソングライターっぽい作品だった。部分的にはバンドの音楽をなぞるようなとこもあるにはあり、大いにタヒチっぽい新曲としてタヒチファンを喜ばせるとこがあるけど(特にリーダートラックはそうだろう。)、にしてもアルバム全体としては、個人的な音楽の感の方が圧倒的に勝る。良い意味でSSW作らしく、送り手と受けての密接度が高く、こじんまりしてる。その辺のバランスやら、さじ加減の絶妙さに聴いていて仰け反った・・・賢いな、この人。 レビューにはポール・マッカートニーの初期のソロ作品と比較されていたけど、まさにそのニュアンス、そのツボを付いていると思う。まさにそんな感じだ。バンドで発揮していた高いメロディセンスはそのままに、近くで向かい合った姿勢で、アコースティックギターを弾きながら、歌う。このシンプル状態で、専売特許のあのボーカルトーンでしっとり歌われたらもう、なるほど、と思うしかない。当然彼以外の、「パンダの顔」などもこの作品の中ではあまり浮かんでこない(笑)。 最後に・・・6月の日本公演で、ゾンビーズの名曲「Care of cell 44」をカバーしたそうな。ああ、是非とも聴きたかったなぁ・・・。 |
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It's a rock album.
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- 2007/07/15(Sun) -
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![]() Everybody - The Sea And Cake トータスらとともに、いわゆる「シカゴ音響系」という括りで、シカゴのインディーシーンで活動する4人組ポストロックバンドの4年ぶり7作目。 この際、「エモ」なる言葉とかもそうだけど、あまりに便利に使われすぎてて一言、「ポストロック」と言われても何のことだか、何を表しているのか不明瞭なとこもあるんですけど(苦笑)、「伝統的なロックというジャンルの域を超えた複数要素を兼ね備えた次世代ロックミュージック」という意識であながち間違ってない感じで(・・・ほんと?/笑)。往々にしてそういう音楽は、楽曲構成も複雑で、アーティスティックな高い意識で全体的なサウンドを練り上げていってるものです。 このバンドにおいては、ねじれたポップ&ロック感覚に、ジャズの要素だったり、電子楽器を使ったエレクトロニカ的な要素も加わり、それでいて全体的に柔らかい音の触りで、音の響きだったり、間だったりがとても独特な感じで。これを一言で言い表すのはなかなか難しい・・・それを一言、「ポストロック」っていう言葉で単純化して、使いまわせてしまうという便利さといったら!!そして、メジャーアーティストのように、刺激的かつ直接的でないこの音の鳴らし方が「音響系」などと呼ばれる所以かもしれません。 個人的には結構この手の音楽は好きです。がつんとした刺激は全くないけど、なんとなく全体的にクールで洒落てるし、のんびり音楽の中を泳いで、自分のペースを作りながら、リラックスできる感じが素敵っていうか。 今回のアルバムもシー・アンド・ケイク節、シー・アンド・ケイクムードが炸裂。地味だけど良い。今回は伝統的なロック的要素が強くなり、全体の楽曲構成も以前よりシンプルで、彼らのアルバムの中では聴きやすい部類のアルバムだと思う。あのふわふわした、洒落た感じは相変わらずだけども、ソフトでノリの良いドラムビートによって、軽くロックのカタルシスを味わえるとこが良い。それでいて、辺りを散らすキラキラ、シャリシャリしたクリーントーンのギターの響きがクールで、心地良く耳の中で流れていく。 |
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相変わらずポップでオペラ。
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- 2007/07/12(Thu) -
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![]() Release The Stars - Rufus Wainwright(スタジオライブ) ニューヨーク生まれ、カナダ・モントリオール育ちのシンガーソングライターの2年半ぶり5作目。 彼のやっている音楽は、幼少期に魅せられたオペラ音楽と伝統的なポップミュージックとの融合で、結果として、60年代に活躍したビートルズやバート・バカラック、レフト・バンクなどの音楽意思を継ぐことになり、そうした「バロック・ポップ」を彼なりに手を加え、独特の手法で今の世代に表現している。 いつも演劇音楽のようにゴージャスで、聴いてて酔ってしまいそうな彼の独特な歌のトーンにかなりリスナーの好き嫌いもはっきり分かれてしまうとこなんだけど、彼の音楽に一度魅せられてしまうとずぶずぶハマり、またこれ以上の個性的で、優良な音楽は見つけられない。なぜなら、他ではこの手のものはなかなか類を見ず、ここまで完成された音楽もなかなかないだからだ。 今回のアルバムは、プロデューサーには意表をつき、ペットショップボーイズのニール・テナントが選ばれ、その影響があるのかは知らないけども、これまでの作品に比べると、聴いた感じ、最もポップで、最も聴きやすいものだと思う。相変わらずゴージャスで、オペラチックで、あのボーカルスタイルで、相変わらずの調子といえば、相変わらずの調子ではあるんだけど、どこかいつもよりフックがあって、ポップな色彩感が際立っている感じがする。初めて彼の音楽に触れるなら、このアルバムがいいかもしれない。 そのせいか、このアルバムは彼のキャリアの中でも、セールス的に最も成功しているアルバムなのだそうだ。特に英国ではリリース後初回週で、3万枚に届きそうな勢いで売れ、ナショナルアルバムチャートの2位にランクインされている。前作がトップ20にも入らなかったことを考えると、大躍進。アメリカでも、これまでローリング・ストーン誌に大絶賛を受けながらも、なぜかビルボードアルバムチャート60位程度が最高だったものの、今回は初回週で24000枚を売り、23位にランクインしたというからなかなかなもの。 |
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また素に戻った。
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- 2007/07/09(Mon) -
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![]() Send Away The Tigers - Manic Street Peachers ウェールズの3人組の3年ぶり8作目。 パンクな姿勢を貫くため、知的さだったり、思慮深さを盛り込みながら、真実に肉迫する主義主張を送り続けている一方で、不器用にも作品間の音楽変化やその意図のわかりやすさが素敵だったりするのですが(笑)・・・この作風はまさしく前作「Lifebood」に対する反動ですよね。それ以外、何物でもないっていうか(爆笑)。 何となくこのアルバムを聴いて考えてしまうのは、安定したソングライティング能力を持ち、当然バンド自体、大ヒットも飛ばした横綱バンドで、もう今回で8作目にもなる作品なわけで、ある意味、形がマニックスになっていれば、何をやっても許されるんじゃないかと思う中で、こういうひねくれずにストレートなロックバンドアルバムに再び回帰するっていうことの意味はどういうことなのか?っていうところであるとは思うんですけど。 個人的な気持ちで言えば、前作の「Lifebood」が、マニックスが積極的にニューウェーブ・サウンドを取り入れたアルバムで、ちょっとこれまでの中ではなかったタイプの冒険的な作品で、それでもきちんとマニックスになって、説得力も大いに保ってるっていうのが面白くて、すげぇなぁと思いながら聴いてたとこもあって、次はどうなってしまうんだろうなぁと思いながら、そんな変化に期待を寄せながら、この作品に接しているので、・・・何だろ、別に拍子抜けしたわけじゃないけど、何か笑ったっていうか(笑)。 結構、マニックスの作品群を見ていくと、誰もが予想できてしまう普通になるのを避けて、過去の作品ではやってないサウンドを生み出そうとする野心的なアルバムと、いきなり過去を辿るかのように素に戻るアルバムと2種類あるんですよね。今回のアルバムは間違いなく後者のアルバムで、後者と同じタイプのアルバムといえば、「Know Your Enemy」かなと。「Found My Soul」から始まるあのアルバムを聴いた時もその「えー!?」っていう驚かせっぷりにちょっと笑っちゃったっけ。・・・まぁ、そこが彼ららしくて、素敵っちゃ素敵なんだけど(笑)。 本人たち曰く、デビュー作「Generation Terrorists」と、リッチー失踪後初めて大成した「Everything Must Go」をミックスしたようなアルバムだと表明している。確かに初期のようなギターロックを用いながら、「Everything Must Go」でみたゴージャスなストリングスが絡んだようなアルバムである。冒険というよりは、自分たちのテリトリー内で彼らは自分たちらしさをアピールし、手堅くまとめた。これなら久々に彼らの聴き馴染みのある作品に喜ぶ人も出てだろうと思う。実際、チャート的にも前作が英国13位だったのに対し、今回は2位だったというから、セールス的にも上がっているのだろう。 素晴らしいのはアルバムのランニングタイムの短さである。そんなことお構いなしのてんこ盛り過ぎるトゥーマッチなアルバムもマニックスの作品群にはあるのだけど(苦笑)、今回は賢く10曲35分程度にまとめて、その逆を行ったっていうのが偉い。インタビューによれば、もっと曲を足そうかと思ったらしいけど、そこは思いとどまったそうなのだ。その勇気が偉い。そのリスナーに優しい感じ、セカンドアルバム以来かもしれない(笑)。しかも、収録されている楽曲もほとんど3分台、と個人的には理想的で、コンパクトに作品が表現され、途中ダレることもなく聴き終えられるようになっているのが素晴らしい。 |
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良いメロディこそ音楽の命。
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- 2007/07/06(Fri) -
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![]() The Boy With No Name - Travis(スタジオライブ) スコットランド・グラスゴー出身のUKロックバンドの5作目。 グラスゴーのアートスクールでの出会いをきっかけに、バンドを95年に結成。間もなくレコード会社の目に留まって、すぐさまメジャー契約。それをきっかけにロンドンに活動拠点を移した後、デビュー作をリリースし、好意的にサポートしたオアシスによる後押しもあって、早々にアルバムチャートベスト10以内にランクイン。 99年の2作目「The Man Who」からは、レディオヘッドなど手がけ一躍時の人なっていたナイジェル・ゴッドリッチと手を組み、ビッグなギターロックバンドから内省的でメランコリックな歌心を持ったバンドへと変貌。その変化に賛否両論を生んだものの、楽曲の良さの方が勝り、全英アルバムチャート1位を獲得、セールスも400万枚を上回る結果となり、英国のトップバンドの仲間入りをした。その次の01年にリリースされた3作目「The Invisible Band」はよりフォーキーで歌を中心としたアルバムで、アルバムチャート初登場1位、300万枚を売り上げて、その地位を不動のものとした。 2003年の4作目の「12 Memories」では、成功した前2作で組んでいたナイジェル・ゴッドリッチからアメリカ人プロデューサーのチャド・ブレイクにプロデューサーを替えて制作された。全体的にキラキラした、多幸感も強かったそれまでの作品とは違い、当時の世相を反映してか、政治色等の部分が出て、ダークなムードが全編を覆うことになり、再び賛否両論を受け、セールス的にも失速。 それを踏まえてなのか、今回の5作目では再びナイジェル・ゴッドリッチと組み、以前のようなキラキラしたサウンドの輝きを取り戻している。 大成功だった前2作の200万枚の出荷に対し、たった30万枚の出荷しかなく、またアルバムからのシングル曲もトップ40の中にも入らなかったという話だから、ほんとにセールス的にも大失速で、ファンからの非難の多かった前作なわけですけど、個人的には「12 Memories」はバンド史上最高傑作だと思っていて(笑)・・・まぁ、好みの問題なんでしょうかね。内容も素晴らしいし、稀に見る最高のサウンドで、これ以上のUKロックアルバムなんてあるのか?と思いたくもなってしまうほどだったんですけどねぇ。 まぁ、それはともかく。再び組まれた「勝利チーム」によって作られたアルバムです。 彼らは、昔から「僕ら自身のことなどより、自分たちが作った楽曲ができるだけ後世に残り続けていけば満足」という超優等生的な考え方が基本に根付いているみなさんなので、当然今作も特に変に刺激的な変化球を投げるわけでもなく、ただひたすら質の高いメロディと良い歌を歌い、その誠実さを12曲にして並べている。そして、すでに大物の風格すらある彼らの楽曲は、誰をも納得させる説得力を維持している。駄曲などあるわけもなく、一貫してその揺ぎ無い安定感には脱帽する。 また前述のとおり、成功したアルバムのようにキラキラした装いを取り戻したため、前作のような張り詰めた変な緊張感や陰鬱さは薄れ、良い意味でリラックスした聴き心地の作品になってて。・・・これがファンが求めていた作品でしょう。 前作のチャドによるクリアでヴィヴィッドなサウンドに対して、再びナイジェルお得意のレイヤーがかった独特のサウンドプロダクションに戻ったおかげで、また英国らしい深遠な叙情性とその響きの美しさが引き出され、以前にあったあの耳馴染みの良いサウンドへ回帰しているのも大きなポイントか。 |
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インディ根性と真っ直ぐな音楽愛を持ったオタク兄弟。
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- 2007/07/02(Mon) -
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![]() No Need To Be Downhearted - Electric Soft Parade (スタジオライブ) アレックスとトムのホワイト兄弟による英国ブライトン出身のバンドの3作目。 エレクトリック・ソフト・パレードと言えば、やはり度肝を抜いた傑作中の傑作デビュー作の「Holes In The Wall」でしょう。キラキラしたポップセンスと英国らしい叙情性を兼ね備えた、恐ろしく充実した内容の作品で、当然のことながらQマガジンなどを始めとしてメディアにも注目を浴び、果てはあのマーキュリー・ミュージック・プライズにもノミネートされた。もっと驚かされるのは、それを作り上げたのが、当時まだ18歳と16歳だった早熟な音楽オタクの若者によるものだったという事実で。 2作目はその翌年の2003年にメジャーのBMGからのリリースだった。これがまたすごくて(笑)、ポップでキラキラした前作路線を行くわけでもなく、骨太なひねくれインディギターロックの方に流れて、まるでメジャーに上がったことを全く意に介してないような、インディロックキッズぶりを作品で発揮。以前とは別の器用さをアピールしつつも、拘りの音楽オタクらしいチャレンジングな一面を覗かせた。 2004年にはブリティッシュ・シー・パワーを脱退したイーモン・ハミルトンらとともに、ブレイクスというギターロックバンドを結成。翌05年の夏にはラフ・トレードからデビューアルバムをリリースする。イーモン・ハミルトンという個性的なボーカルスタイルもそうだけど、16曲30分以内で完結するという、平均1曲2分以内という、あまりに矢継ぎ早な作品展開が強烈で、ガツンとクールなギターロックでありながら、これまたインディ心をくすぐる作風だった。 同じ年の暮れ、今度は次のアルバム作品とは全く関係なく、ESP名義の「Human Body EP」という6曲入りのEPをリリース。そしてその後も兄弟は掛け持ちのブレイクスと活動をずっと平行しながら、スケジュールをこなしていた。 今年に入ると、今度はどうなっちゃうのかなぁと思いつつも(笑)、ついに待望の3作目の新作がリリースされることになった。 EPでは、全体的にポップ色とメロディによる親しみやすさが大分戻ってきた感があったので(超ポップな曲も入ってたし!)、ほっと胸をなでおろしたとこがあったんだけど(笑)、今回のアルバムはその延長線上と言っていい。それをさらにもっと情感を込めて作り上げたものにしていったという感じ。 決してまたマーキュリー・ミュージック・プライズにノミネートされるような大衆受けするような作品ではないけど、適度なひねくれ具合としっかりしたメロディセンスによって、楽曲にもフックが生まれてて、またポップに印象付けるキラキラした電子音や鍵盤の音が印象的に被さってきたりもして、全体的に有機的なハーモニー感覚もあって、やっと僕らが思ってるような彼らに対するポップミュージックのイメージと、実際鳴ってる音楽のイメージとが再び重なってきたかなっていう感じがする。こう・・・一癖あるポップなUSインディに対する英国からの回答、みたいな感じのね。こういうのを作ってくれて良かった。このアルバムは素直に良いと思うし、どんどん聴いていきたいと思えるスルメ作品だと思う。 今、彼らは何歳なのかな?って、まだ24歳と22歳なのかぁ・・・全然見かけはあんまりそう見えないけど(お兄ちゃんは相当髪の毛が薄くなちゃってるし、弟くんは今のジャック・ブラック(映画「スクール・オブ・ロック」の人。)へ完成直前だし。/笑)。それなのに、これだけ思慮に富んだポップミュージックを表現できるっていうのは、なかなか達成できないことだと思う。この際年齢のことを言って取り上げるのはあんまりフェアじゃないことはわかってるけど、それでもこの歳にして、玄人みたくきちっと音楽を自分たちなりに解釈して捉えてて、また自分たちが鳴らしていきたい音楽だとか、その表現方法、ツボのようなものをきっちりわかっている、というのがアルバムの音楽の節々から説得力を持って伝わってくるから、やっぱそうも言ってしまいたくなってしまうっていう。もうそれはとっても素晴らしいことで、やっぱ彼らは只者じゃないわって思う。 |
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