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2日目。
- 2006/08/13(Sun) -
サマーソニック'06


Boom Boom Satellites

前日も昼間っからビールを散々飲み、ホテルに帰ってからも酒を買い込んで夜遅くまで飲んでたので(笑)、当日の起床は11時(朝食券は無駄に。/笑)。午前中はビーチでも行こうかな、と思っていたのだけど、ホテルから出たのは12時(笑)。個人的にはコープランドが観たかったのだけど、ステージの位置関係上移動が少し面倒になる、時間もあまりない、ということで、選んだのはブンブン・サテライツ。曲は1曲も知らなかったけど、フロアにもまれて踊りまくるぜ!ってことで。フェスなのを意識してなのか、シングル曲っぽい、わかりやすい曲ばかりで、楽しかった。もうしょっぱなから汗だくで、大声を出して、踊りまくり(笑)。バンドはとても良いバンドだったし、音楽でどんどん盛り上げていく感じで、演奏も完璧だった。彼らはすごく人気があるんだね。フロア中、ダンステント化していた。

Secret Machines

ニューヨークで活動するスペーシーな3人組ロックバンド。ものすごくライブの評判が良いのを聞いていたので、楽しみだった。実際、始まってみると、素晴らしい音楽世界を繰り広げていた。ジョン・ボーナムばりのドラムに、メロディが浮き上がっていくように浮遊するギター、そして美しい鍵盤。ほとんどMCもなく、ひたすら演奏に没頭する、余計な話要らずの、非常に真面目なライブだった。ゆえにそんな楽しいという感じはなかったんだけど、反面、その真面目さからは音楽に忠実で、誠実な感じはあって、そこが彼らを観ていて、すごく印象的な部分だった。だてに下積みも長くなく、メンバー同士も息の合った、とても力量もあるバンドだし、もっと時間があれば、もっと面白いジャムを展開してくれそうな雰囲気は持っていた。こういうバンドはこうしたショーケースライブでなく、もっとじっくり観たいよね。

Lostprophets

アークティック・モンキーズは観たかったんだけど、どう考えても入場規制当たり前、まともな形で拝める気がしなかったので(大きなスタジアムより集客数の小さい屋内を選んだのはバンドの要望だったらしい。)、とっとと諦めて、スタジアムへ移動して、英国のハードなロックバンド、ロストプロフェッツへ。彼らの新譜は、素晴らしかったモダンな前作よりももっとさらにメロディアスになり、勢いのあるゴリゴリのヘヴィロックというよりは、パンキッシュでよりハードロック的なアプローチになって、とても良い作品だった。すごく乗りやすいし、当然会場も盛り上がる。このわかりやすさは貴重。単純に楽しめるし、ステージとオーディエンスとの意思疎通もばっちりで、観ていて気持ち良く、気分が良かった。

Muse

実は、ブンブン・サテライツの時に暴れすぎてしまったためか(笑)、その間に友達と逸れてしまっていて、しかも、トランシーバー代わりの携帯電話をホテルに置いてくるという大失態を僕は犯していて(苦笑)。その後も、その友人を探すも、出会うことが叶わず、ホテルに一度取りに帰らなくてはいけなかった。帰って、携帯を見ると、着信17件(おいおい。/笑)。電話すると、「そんな初歩的なミスを犯すなんて!」と大変ご立腹で(笑・・・いや笑ってる場合じゃない。)・・・ええ、大変失礼しました。しかし、友人が前日食べて勧めていた「ロコモコ」なる食べ物を食べたら、お互いすぐ機嫌も直り(?)、体勢も立て直して、いざ、ミューズへ。

僕は個人的に思うのは、別にその後に出てくるリンキン・パークとどっちがどうだと言うつもりはないんだけど、ミューズはもうトリに選ばれるべきバンドだと思っていてね。確かにミュージックシーン的には少し異端児的な存在ではあるんだけど、本国では一昨年はグラストンベリーのトリをすでに経験してるし、今年はリーズやレディングのフェスもトリでしょ?北米では、まだ12ドルとか、23ドルとかで、小さなクラブで観られたりするけども(笑)、実際、その12ドルとかで小さなクラブでも観たけど、でかいとこで観たいよなーという思いだけが募ってしまって、やっぱり彼らはすでにビッグなスタジアムでしか似合わないバンドへと現在は成長してて。この時点で、日本でもトリに選ばれないっていうのは、人気もついてきた今でもなお、まだ過小評価されてるっていう気がするんですけどね。

それはともかく。以前のツアーのように、紙ふぶきやバルーンのような仕掛けはなく、かなり真っ当なライブであったんだけど、それでもやっぱり素晴らしかった。安定感は抜群で、言うことないし、彼らはアッパーでオーディエンスを盛り上げるような曲をたくさん持ってるし。セットリストはフェス向けのわかりやすい楽曲を並べた、コンパクトなショウって感じはしたけども、特にこの場では異存もなかった。この広いスタジアムで彼らのショウを観られた、ということに意味があったし、彼らもちゃんといつも通りにそういうショウをやり遂げた。もうそれだけ。

Linkin Park

ミューズを見終わって、そのままリンキンへ。僕はあまり知らないんだけど、友達がちょっと観てみたいというので、今更また移動するのもめんどくさいし、それに従ったという形。トゥールをどうしようかという話もあったんだけど、もう腰の重いオヤジでして(笑)。リンキンはやっぱすごくトリらしく、すごく盛り上がってたなぁ。ファンをステージに上げるという微笑ましい光景も。最初の方で、友達は聴きたい曲は全部聴けたということで、途中退散。会場を出て、しばらく歩いていたら、空には大きな花火が。今年のサマーソニックも無事終わりました。・・・なんか2日目はあんまり観てなかったね(笑)。
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1日目。
- 2006/08/12(Sat) -
サマーソニック'06


Johnny Boy

例年通り、幕張メッセに会場入りし、まずビールを片手に選んだのは、ロンドンの2人組、ジョニー・ボーイ。ショウの途中から。このバンド、マニック・ストリート・プリーチャーズのジェームスがいたく気に入り、自らプロデュースを買って出たということでも知られている。「You are the genelation〜」という曲で名が知れ渡っている。で、観たんだけど、それほどピンと来ず。ライブならではの、生々しいギターロックバンドって感じだったんだけど、アルバムの音源自体の方が(ちょっと聴いた感じだと、)、ビューティフルで印象的という感じが拭えず。2、3曲で退却。

Amusement Parks On Fire

ステージを代えて、「燃え盛る遊園地」へ。マイケル・フィーリックなる21歳のイギリス青年によるソロプロジェクトから始まったバンドで、15歳からやってんだと。しかも、やってみようと思ったのが、ギターによる美しいフィードバックノイズ。シガー・ロスの強い影響を受けて、弓でそのノイズを作り出してるもしてるそうだけど(僕が観てた時はたまたま使ってなかった。)。まぁ、言ってしまえば、もろに「シューゲイザー音楽」でして、面白いのは、本人はその、UKで90年代初頭に起こった「シューゲイザー」というムーブメントを知らずに、これが自分の新開発!ってずっとやってたら、「これ、シューゲイザーじゃん?」って聞かれまくり、それで、試しにマイブラのアルバムを聴いてみたら、これ、やってた人がいたのかよ!と思ったらしい・・・そんな逸話を持つ。ちょっと間抜けだけど(笑)、先人がやっていたとはいえ、それを10代にして1人で自力のみで作り出したということ自体にはものすごく驚異で、意味があると思う。そうだよなぁ、15年前じゃ、小学校は入ったばっかりって感じだもんねぇ(笑)。そんなインディムーブメントを知る由もないよなぁ。ショウはスケール感大きく、ノイズがただ浴びていて気持ち良くて、主メロディは叙情的でわかりやすくしっかりしているし、すごく良いバンドでとても良かった。やっぱ何年経っても、この手の音楽は好きだなぁ。

The Feeling

名前がいまいちだけど(苦笑)、個人的には「この夏の一番の衝撃」だったUKバンド。多重コーラスを引用し、馬鹿馬鹿しいくらいポップで、非常にわかりやすい歌謡曲の数々。個人的には理想的過ぎなくらい理想的でど真ん中。今時こんな音楽やってて売れるのかね?と思うのだけど、UKでは現在かなりの売れっ子。マルーン5も思わせるシングル曲「Sewn」はナショナルシングルチャートに3位で飛び込み、今、話題の真っ最中。正直、イギリス人の音楽趣味は少々よくわからないとこがあるけど(笑)、それはともかく、まずもってめでたいこと。ジェリーフィッシュの「Hash」のようなアカペラハーモニーソングで始まった彼らのライブは、アルバムで表現していた「超」が付くほどの「折り目正しいポップ」をそのまま忠実に演出したライブでした。バンドはまるで若いスタジオミュージシャンの集まりのようだったけど、その中でボーカルくんの意気の良い、清々しいパフォーマンスは注目の的で、観るものの目を引きつけていました。がんばりすぎて、ギターを弾きながら、転倒してたけどさ(それでも弾いてた。熱いね。/笑)。

Phoenix

ちょっとお昼休みを挟んで、フランスのバンド。前作ではテクノロジーを駆使して、ポップを追及した彼らは、一度リセットさせて、3枚目の新作では「バンド」に回帰し、がらりと雰囲気を変えて見せた。そんな経緯から、賛否はあったようなんだけど、個人的には聴き出すともう止まらなくなってしまうほどの好盤で、このライブを楽しみにしてたんですけどね。新譜の楽曲を中心に並べたライブ。やっぱ、セカンドの曲の方が盛り上がってたかなぁ。演奏もそっちの方がしっくりきてた感じはした。ストロークスのファースト的な感じがする新譜の楽曲の演奏はとても良かったんだけど、まだどこか、アルバムの中にあったようなマジックが完全に再現されてる感じがしなくて、そこがちょっと気持ち乗らず、残念な気はしたんだけど、それでもこのバンドのドラムはとても力強くて、すごく良いパフォーマンスだったので、そこにすごく魅了されました。

Hoobastank

カーディガンズの「Love fool」(愛すべき名曲!)を耳にしながら、会場内をぶらぶらし、次どうしよっか、と作戦を立てる。この間、キーンが始まる前までは、特に決めてなかったので、何でもござれって感じで、タイムテーブルとにらめっこしながら葛藤。ダニエル・パウダー、エディターズ、またはビーチでテッド・レノンとかも良さそうだしって。しかしこの時、ちょうど屋外では、雷を伴ったものすごい豪雨で、外の光景は凄まじいもの(屋外のゼブラヘッドとか普通にやったみたいだけど。)。で、結果、短期的な集中豪雨が上がり始めた頃に、スタジアムのフーバスタンクに決定。着いた頃にはもう始まっていた。フーバスタンクは、ファーストの際のサマソニ、カナダにいた頃に一度観ているので、何気に彼らを観るのはもう3回目なんだけど、彼らは非常に演奏パフォーマンスが良く、観ていて安心できるバンド。しばらく観てると、ボーカルくんのおばあちゃんがステージに出てきた。彼のおばあちゃんは日本人。アメリカにずっと住んでいるらしい。なかなか訪れられない日本にこの機会に招待してあげたみたい・・・良い孫だねぇ。おばあちゃんはステージ上に来て、日本語でコメントしながら感無量。孫がマイクをもらおうとするのをさえぎってまでしゃべってた(さすが日本の母。/笑)。「みなさん、フーバスタンクを応援してください。ダグを宜しくお願いします。」と深々と日本人流のお辞儀し、また孫とのアメリカ人流のハグに観客が沸いてた。そして、その後に演奏された「the reason」はとても美しく響いてた。なんだか良いものを見せてもらったな。

Keane

じゃ、メッセに戻ってキーンを観ますか、と再びソニックステージに入ろうとした瞬間、会場スタッフさんのメガホンから「次に始まるキーンのステージは中止になりました!」という言葉が耳に入る。「えー、なんで!?」って。家族の事情というから、こればっかりは何を言ってもしょうがない。あまりに突然すぎたけど、かといってスタッフをいじめるわけにもいかないし(笑)。観念するしかなかった。遠くの空には虹がかかり、それに癒されたのがせめてもの救い。

The Flaming Lips

キーンのキャンセルにより、1時間半もの時間が空いてしまう。一緒にいた友達は、賢くメタリカを観に、スタジアム移動し、ここからは単独行動となる。こういうことはよくある。自分が観たいものを観るべきだと思うし、それで無理に四六時中一緒にいる必要はないから。にしても、1人で1時間半・・・(苦笑)。シャーラタンズでも観ようかなぁ、と思うけど、観てたらリップスに間に合わなくなる。仕方ないので、多くのキーンファンのいなくなった静かなフロアで、おとなしくリップスのステージを待つことに。ステージでは、リップスのためにセットが組まれ、サウンドチェックをしている。しばらくすると、メンバーがステージに出てきて、サウンドチェックを自らやったり、スタッフと最終確認をし合っていた。来ていたファンからの呼びかけにも気軽に応じ、手を振ってそれに応えていた。

セットが組みあがり、ショウまであと30分もなくなった頃、バンドのフロントマンのウェインが出てきて、今回のキーンのキャンセルについて、こと細やかに説明しだした。会場スタッフより遥かに細やかに(笑)。「ファンには本当に残念なことなんだけど。今朝突然起きたことだったんだ。」・・・なんて親切な人なんだ。「・・・で、時間もあるし、少しの間、演奏でもしようと思うんだけど。」・・・!!それほどの集客でもなくて、まだ来てないリップスファンもかなりいたはずなんだけど、いきなりクイーンのカバーの「Bohemian rhapsody」がバンド演奏されてしまった。そこにいた人たちはこのサプライズに驚き、みんな狂喜乱舞し、このアンセムを大合唱(あの曲は歌うとほんと気持ちが良いんだよね。)。しかもそれだけで終わらず、「ここにキーンの大ファンはいるかい?何かキーンの曲を1曲ちゃんと英語で歌える人がいたら、ステージに上がってきて。鍵盤で弾いてあげるから。」と。ひぇー。そして、日本人の女の子が歌い、拍手喝さい。もうサプライズすごすぎ。「今、僕の時計では7時15分で、25分から僕たちのショウがきちんと始まるから、ちょっと待っててね。」・・・しかし、このリップスによるサプライズはまだ序章に過ぎなかった。

客電が落ち、メンバーが出てくる頃には、ステージ上ではすごいことになっていた。ステージの右側には映画「マスク」のキャラクターのコスチュームの女の子たちが10人で固め、ステージの右側にはサンタクロースが10人。その他には、スーパーマンもいたし、ドラムセットの後ろには大きなロボット(?)のビニール人形が2体控えてる。そして、ウェインはおもむろに大きなバルーンの中に入り、その中で何か歌うのかと思いきや、その状態でフロアに降りてきた。つまり、ウェイが入った大きな透明なバルーンは、フロアの上では大玉転がしの大玉となった。その時、ねぇ、あれは何やってるの?に始まり、嘘でしょー!?の声と大きな悲鳴が上がった。彼が無事にステージに戻り、バルーンの中から出てきた時、1曲目の「Race for the prize」が始まった。それと同時に、たくさんの紙吹雪や紙テープが舞い降り、オレンジ色の大きなバルーンが2個や3個でなく、3、40個ぐらい落ちてきた。コスチューム族もステージ上で踊りだし、とても派手で、鮮やかな風景が目の前に広がっていた。

演奏中は最初から最後まで、常に何かしら上から落ちてきた。腕を組んで、ショウをじっくり観てる暇はない。いつも頭にバルーンが落ちてくる。これはパーティーだから、盛り上がらないと成り立たない。そうした演出がサプライズとともに、常に盛り上げる環境を整える。紙ふぶきもバルーンもいつまで経ってもフロアの上から消えることはなかった。ステージ上のスーパーマンが常に準備し、「装填」してフロアに供給していたから(笑)。

そして、ステージ上から、所々で静かになってしまう雰囲気、フロアのパワー不足も感じてか、「もっともっと盛り上がれ!」とどんどんハッパをかける。「声を上げることが大きなパワーになるから。」。「Yeah yeah yaeh song」では、オーディエンスと曲中で掛け合う場面でステージから非常に興味深い発言があった。「人々が声をどんどん上げていくことによって、戦争を止めようとする大きな力にもなるんだから。」と。新譜では、反戦の意味が込められていた。その発言が彼らの、最も言いたかったことの1つ。ライブでは、そのメッセージをステージから直に供給していく。ただ黙って受けていたら、何も起こらない。そして、驚きで始まったこの一大パーティーは、そのうちファンタジックで温かくも、大きな1つにエネルギーになっていく様が感じられた。

アンコールの場面冒頭では、ベースのマイケル(いつも体の骨が描かれた黒スーツを着ているスキンヘッドさん。いつも座って演奏してる。)が大きな「手」をつけて登場し、そのままウェインと抱き合って(ちょっと滑稽なんだけど。/笑)、最後の曲を演奏し、「Love each other.」というメッセージを残し、大団円のうちにショウが終了。その瞬間、図ったように流れたルイ・アームストロングの名曲「What a wonderful world」・・・すごく印象的でした。常にアクティブで楽しく盛り上がり、強いメッセージも感じられた、ほんとにほんとに見事なパーティーライブでした。こんなライブが日本でも観られるなんてほんとに素晴らしい。
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コール&レスポンスしやすいハードロック。
- 2006/08/11(Fri) -
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Liberation Transmission - Lostprophets

UKウェールズ出身の5人組バンドの3作目。

2000年にインディレーベルからファーストアルバム「Fake Sound Of Progress」がリリース。リンキンパークなどのアメリカのミクスチャーなヘビィロックに対して、英国からこのようなユニークなバンドが出てきたということもあって、インパクト十分、その内容の良さからメタルハマー誌のレビューでは10点満点をつけるなど高評価で歓迎される。翌年にはメジャーレーベルへ。その絶賛の輪はさらに大きく広がり、ケラングやNMEなどを始めとする多数の新人賞を獲得。2004年には、セカンドアルバム「Start Something」で、さらに勢いに乗るとこを見せ付けて、前作に引き続き好調を保ち、その地位を揺ぎ無いものとし、今年、ついに念願のボブ・ロックをプロデューサーにして、3枚目の新作を完成させる。

前作「Start Something」は素晴らしい作品だった。モダンかつへビィでありながら、メロディが際立ち、パンキッシュで攻撃的な面を持ちながら、時にはポップであったり、メロウであったりして、それは多くのリスナーにインパクトを与え、また好まれる作品であったと思う。また彼らが持つ独特なムードは、前々作時以上に、アメリカの同系統のバンドとの違いも見せ付けていた。

前作を聴いてて、今どきすごくユニークで興味深く思えたのは、彼らの音楽の中に80年代的なハードロックの要素を否定することなく、上手く組み込んでいたことにある。だから、音は今時でも、何だか懐かしい雰囲気が香っていたのである。これ、こんなドカドカ、ガッツガツしてなかったら、何となくそれっぽくなるよなぁ、というのが面白かった。

で、今回。彼らはそんなインパクトを叩きつけるヘビィ一辺倒を追及するやり方をやめ、ソングライティング重視の、メロディ先行の楽曲作りにシフトチェンジし、過剰で無駄な部分をどんどん削っていったのである・・・つまり、それは僕の解釈からいえば、ロストプロフェッツ型ハードロック絵巻の始まりでもあった。オープニングトラックのアゲアゲで始まる、ぶっ込みハードロックソングなどは、それを象徴している。中盤での速弾きのギターソロではまさにそれ。一方で、メロディの際立ちから、さらにパンク色が増した上でポップ化も大きく進み、ポップパンクっぽくもなり、その音楽の聴きやすさはますます進化している。

元々彼らは、こういうハードでヘビィなロックバンドでありながら、メロディの作り方が非常に上手かった。それが大きな親しみやすさに繋がり、しかも、それでいて、リスナーもシンガロングをさせたり、掛け声を上げさせたりするような、演者だけでなく、聴き手も音楽に参加させ、全体を巻き込んでしまう雰囲気がこの音楽にはすごく大きくて、それがこの音楽を聴く時の楽しみの要素にもなっている。特に、このバンドのライブなんかはそういうのが醍醐味になってくるんでしょうね。スカッと爽やかで健康的に、エネルギッシュなロックを楽しみたい人には、こういうのはとても向いてると思います。

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イカす雑食性と予想外の展開。
- 2006/08/06(Sun) -
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Decadence - Head Automatica

一昨年に出ていたアメリカの5人組によるデビュー作。

元々このバンドは、エモーショナルでハードコアなへヴィロックバンド、グラスジョーというバンドでフロントマンをやっていたダリル・パルンボとゴリラズなどで仕事をしていたプロデューサー、ダン・ナカムラがタッグを組んで始まったプロジェクトらしく、多分それを機にメンバーが集められ、バンドを組んだっていう感じなんじゃないかなぁと思う。

これが超カッコいいんですよ。ここに含まれている音楽はもう物凄い雑食。太いグルーブで突っ込んだガレージロックで始まったかと思えば、次には打ち込みのヒップホップビートが打ち鳴らされ、一気に聴き手をダンスホールへと誘い、そうかと思えば、パンキッシュでクールなパワーポップが、かと思えば、テクノやハウスミュージックのテイストが目の前を広がり、そのうちまた、強烈なガレージロックがわーっと始まる、で、またヒップホップなビートが・・・っていう、なんだかやりたい放題で、滅茶苦茶なのですよ(笑)。

でも、一見収拾もつきそうもない、このとっちらかった感じも、見事なアレンジセンスとプロデュース力で、がっちりと1枚にまとめ上げていて、終始一貫として流れる、聴き当たりの良いポップセンスがこちらのノリを良くし、またそんな雑食音楽がこちらを上手くどんどん誘導して流していくのです。全然聴いてて飽きることがないし、こんなごちゃごちゃしてるのに、最後まで聴かせてしまうスキルを披露してくれている。

インパクトがとてもある上、その流れや考え抜かれた上手さはどんどん飲み込まれていってしまうようで、それがすごく快感だし、聴いた後の満足感も大きい。こんなのもアリか、大きく唸らされます。圧巻の1枚。個人的に一番好きなトラックは、9曲目の「Solid Gold Telephone」。


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Popaganda - Head Automatica

そして、これは今年に出た2作目。

ツアーに出て、多くのライブを重ね、1つの音楽プロジェクトではなく、5人組バンドとしてきちんと成り立った、と認識してのことからか、ここでは前作で展開してきた雑食性の高い音楽から大きく脱却し、「本当の『ポップ』をこの世に知らしめために」、シンプルにバンド音楽へと向かった彼ら。

本人たちが影響を受けたという本物のポップやパンクのエネルギー・・・エルヴィル・コステロやスクイーズ、ニック・ロウのような英国のポップ音楽のテイストを上手く生かしつつ、アメリカ産の抜けの良い、元気なパワーポップを披露してくれている。ほのかにガレージ感覚もあったりする、真っ正直なパワーポップ。超アメリカ的なポップパンクバンドのようなバンドは最近でも結構いるけど、こんなパワーポップバンドは意外や意外になかなかいないかも。

前作から聴き続けている人たちにとっては、この変化はかなり驚きの展開ではあったと思うんだけど、この清清しいポップはきっとどこかでは支持を集めてると思う。とてもレベルも高く、しかもとても器用にやってのけていて、パワーポップファンも納得の出来だから。

オープニングトラックの印象的なピアノフレーズから一気に弾けるパワーポップの王道から始まって、70年代的なレトロな感じで、スタイリッシュかつ、時には豪快に、ノりの良いポップソングが並び、50年代〜60年代の麗しいテイストを持った、このアルバムでの最も素敵な場面の1つである「Scandalous」へと流れ込む。正統派パワーポップソングとしては、7曲目の「God」が一番印象的で、この曲は多くのパワーポップファンを喜ばせるでしょう。一番好きなトラックは8曲目「Shot In The Back」。ここでは、前作で好きなトラックとして挙げた「Solid Gold Telephone」でのような美しい鍵盤の音色と綺麗なフレーズがまた再び聴けるから好き。曲のタイプは全く違うんだけど(笑)。

最後に付いてるボーナストラックは前作のシングル曲のミックス違いで、それを入れる理由はよくわからないけど、この曲から始まって、今の流れがあることは間違いない。

このバンドのアルバム2枚は絶対日本盤化させるべきだと思うけどねぇ。
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こんなバンド、今もいると思うと嬉しくなる。
- 2006/08/01(Tue) -
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Other People's Problems - The Upper Room

イギリス・ブライトン出身の4人組のデビュー作。プロデューサーはストーン・ローゼスなどを手がけた経験のあるポール・シュローダー。

ボーカル&ギターのアレックス・ミラーがジョイ・ディヴィジョンやザ・スミスなどに影響を受けて、自らソングライティングを始め、それが形になりだした時、バンド結成を決意。彼の友人だった他の3人を集めて、始めたのがこのバンド。それから、まだライブもデモテープのない状態で、知り合いを通じて、ソニー・コロンビアにこのバンドの話が紹介され、間もなくレーベル契約に至った、という。

そんなこと、そんな簡単にあるわけないだろ?と思うかもしれない。でも、このアルバムを聴いたら、納得するかもしれない。稀に見る、煌びやかなギターポップバンドの登場であるから。

シングルリリース後の英国ツアーでは、ホープ・オブ・ステイト(解散しちゃったね。)、エレクトリック・ソフト・パレード(1stが懐かしいけど、今もがんばってるんだよねぇ。)、ロングヴュー(新作まだ?)と帯同していたという。・・・これでもしかしたら、少しこのバンドを聴くようなリスナーの層も見えてくるかもしれない。

僕もこのバンドの音楽を聴き始めた時は正直驚いた。今時、まだこんな純粋なギターポップバンドが英国にいるんだ?と。そして、繊細にして透明感があって、広がりのあるサウンドに、このソングライティングレベルの高さ。ポップで透き通るような楽曲群の数々。世間ではやはりどこかなんとなくスミスと比べられるらしいけど、音楽だけ取ったら、スミスより良いかもしれない。

全て3分台の簡潔な、甘酸っぱさ広がるギターポップチューンたち。とにかく一にも二にも、曲が良い。あまりに鮮やかで、煌めいていて、とにかく光った楽曲の多いこと多いこと。とてもキャッチーな「All over this town」から始まって、「Black and white」も、「Leave me lone」も良いし、「Kill kill kill」なんかは名前の通り、必殺キラーチューン。こんな素晴らしいギターポップチューンを聴いたのは本当に久しぶり。それだけにとどまらず、「Portrait」、「Once for me」へとまだまだ続いていくんだからね、降参です。

あんまり色んなことを表現できないけど、とにかく全ギターポップファン必須アイテムです。
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