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アメリカ音楽に影響を受けた英国バンド。
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- 2006/07/30(Sun) -
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![]() How We Operate - Gomez (スタジオライブ) 98年にデビューした英国の5人組による5作目。 我々の語感からすると奇妙な感じのするバンド名に思える節があるわけだけども(でも、一般的にはこの名前は普通に苗字としてある名前。)、このバンドの存在自体もとてもユニークな存在だと思う。 彼らが出てきた98年というタイミングからすでにそれは始まっていた。英国でのその年あたりというのは、ブラーやオアシスらによって一時代を築いた「ブリット・ポップ」というブームが終息に向かっていた時で、バンド音楽にとっては、ある意味、英国でのシーンが停滞しだした時でもあった。 しかも、「英国の若者たちによる大英帝国への原点回帰」を根源にして起こったブリット・ポップから、煌びやかなポップアイドル音楽に表舞台がシフトしていく中で、全くそういうシーンとは関係ないようなアメリカのルーツミュージックに強い影響を受けた渋い音楽を鳴らして登場してきたのが、このゴメズだったわけで。 彼らの初期の頃は非常に評価が高く、評論化筋ではかなり好評だったようで、時にはマーキュリー・アワードなんかでは賞も受賞もしていたのだけど、実際のところ、シーンに大きな影響を与えるほどのヒットを彼らが飛ばすことができたか?というと、そうでもなかったようだ。以降も、色々試行錯誤するも、なかなか良い流れを生み出すことができず、バンドは苦境の中で活動を続けていくことになる。 そういう長い活動の中で、一時は「解散」も過ぎったそうだけども、バンドに活路を見出すべく、それまで在籍していた英国ヴァージン傘下のレーベルから、米国にあるデイブ・マシューズが設立したATOレコードに移籍。そして、その1作目となったのがこの作品。 はっきりいって、このアルバムは傑作である。決してぱっと聴いた瞬間に引き込まれるような派手さはなく、渋みも利いた作品だから、聴いた感覚的には「キラーアイテム」と呼ぶには少し遠いけども、限りなく高いレベルを維持した、良質な作品であることには変わりはない。とても良い意味で肩の力の抜けてて、それでいてきちっと自分たちの音楽にフォーカスされた、等身大の作品でもある。 このアルバムを聴いていて面白いのは、元々オリジナルで持っていて、決して失われない英国的な部分と、影響を受けた米国ルーツミュージックの部分とのバランスの具合である。米国的な土臭いフォーキーな雰囲気と英国的なスタイリッシュなポップセンスが上手く同居しているのが、思ったより違和感がなく、新鮮な形で、そして心地良く聴くことができる。バンドの最初の頃の曲よりも格段にポップさも増し、それが伸び伸びとこのアルバムの中で繰り広げられているのも利点だと思う。 何となく感覚的な音楽分類上、英国と米国とで分けられてしまいがちだけども、だからといって、決して英国の音楽はアメリカの音楽と「水と油」ではない。例えば、このアルバムでも大きな要素となっている、古き良きアメリカ音楽の1つである「フォーク・カントリー」にしても、元を辿れば、結局ヨーロッパの「トラッドフォーク」に行き着く。この彼らによるこの音楽の同居はそのような確かなリンクに基づいたものであり、英国人の彼らがアメリカのルーツミュージックに興味を強く持ち続けるのも無理はない、と理解できる。・・・まぁ、そんなウンチクはともかく(笑)。 とにかく、曲が良い。アーシーな音楽センスの中にも、「Hamoa Beach」や「Woman! Man!」、「Cry on Demand」などの、かなりポップでキャッチーな曲も多く収録されている中で、個人的に一際興味を惹くのが「Charley Patton Songs」。この音楽の重厚さもこのアルバムについての1つの売りだと言えるだろう。それから、このバンド、ボーカリストが3人いるので、ティーンエイジ・ファンクラブのように、それぞれの「歌」が楽しめるのも、個人的には良いとこかもしれない(笑)。 |
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絶妙なバランスのカバーソング集。
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- 2006/07/25(Tue) -
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![]() Under The Covers Vol.1 - Matthew Sweet & Susanna Hoffs シドことマシュー・スウィートと、スージーことバングルズのスザンナ・ホフスが、映画「オースティン・パワーズ」のサントラでの共演をきっかけに、過去の名曲をカバーするユニットへと発展。今回がその1作目。 もう純然たるカバーソング集なので、何の曲がカバーされてるのか、ということが重要だと思いますので、このアルバムのトラックリストをここに。 1. I see the rain (The Marmalade) 2. And your bird can sing (The Beatles) 3. It’s all over now, baby blue (Bob Dylan) 4. Who knows where the time goes? (Fairport Convention) 5. Cinnamon girl (Neil Young And Crazy Horse) 6. Alone again or (Love) 7. The warmth of the sun (The Beach Boys) 8. Different drum (The Stone Poneys) 9. The kids are alright (The Who) 10. Sunday morning (The Velvet Underground) 11. Everybody knows this is nowhere (Neil Young And Crazy Horse) 12. Care of cell #44 (The Zombies) 13. Monday, Monday (The Mama And Papas) 14. She may call you up tonight (The Left Banke) 15. Run to me (The Bee Gee) ・・・というわけで、60年代の楽曲がカバーされています。60年代の音楽は独特な安心感があって、落ち着きますね。もちろん、当時としての表現方法は様々であったにしろ、ラジオオリエンテッドな感じで、楽曲の中心を担っていた純朴なメロディと音のハーモニーがたまらなく美しい時代でもありました。 シド&スージーに、以前からバックバンドに起用しているベルベット・クラッシュのメンバーが、そうした曲を変に加工することなく、そのままの形でカバー、こういう良い曲がこの時代にはたくさんあったんだよね、いう感じですごく出ています。どうカバーしても、オリジナルを超えることがない、というのはこの世界ではほとんど常識ですが、だからこそ、こういう40年も前の楽曲を、一番純粋で素直な形で今、21世紀にまで歌い継いでいく感じが、まさに当時のミュージシャンたちへのリスペクト&トリビュートになってるっていう、健康的な曲カバーのあり方。 また、選曲バランスが良いじゃないですか。例えば、一番有名なビートルズを1つとっても、「And your bird can sing」を選んで、ちょっと「選んでる」感じが心憎い。選んだバンドに関しても、超有名バンドから、知る人ぞ知るバンドまでしっかりチョイスされ、良い意味で懐メロでありながら、聴いてすぐ飽きたり、変な退屈感が簡単に生まれてこないようにもなってるし。しかも、こんだけあらゆる場所から、曲を選んでいて、それを通しで聴いていても、全く変な違和感がなくて、その時代にあった音楽の素晴らしさをそのままきちんと伝えられてるとこが素晴らしい。 個人的にはやっぱ、またかって感じかもしれないけど(笑)、ゾンビーズかな。だって、これは名曲だもんねぇ。パーフェクトだよ、独房(笑)。あとはビートルズ、ビーチ・ボーイズは当然、レフト・バンクとか、ラブとか。ザ・フーの「The kids are alright」はいつもながらクールだよね。 第2弾、3弾も期待したいところ。 |
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デヴィッド・ミード+ブラッド・ジョーンズ。
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- 2006/07/20(Thu) -
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![]() Tangerine - David Mead アメリカ・ナッシュヴィルのシンガーソングライターの4作目。プロデューサーは、デヴィッドと同郷の、その筋ではかの有名なブラッド・ジョーンズ。 このアルバムの導入口には、アルバムジャケットにある「とある一枚の絵」を巡ってのストーリーが据えられています。その絵を見て、その絵を欲しがる買い手をよそに、あくまでその絵はそれを描いた作者の遺志もあって、買われることを拒み続ける。それはどうしてなのか? “The point sir....is to wonder, to dream of the possibilities.” 楽曲の内容はそのストーリーに必ずしも沿った形のものではないけど、それが今回の作品で伝えたかったテーマだったように思います。 デヴィッドはどうやら読書愛好家のようで、彼のオフィシャルサイトにも、その彼が読んだ本が掲載されているページがリンクされています。過去には、町の図書館で働いたこともあったようです。そういうこともあって、こうした文学的なストーリーを自分の作品に配することは、とても自然なことだったのでしょう。 メジャーレーベルから契約破棄を余儀なくされ、そんな失意の中で作られたアルバム3作目の「Indiana」(個人的には2004年のベストアルバムだった。)、そしてその「Indiana」以前にアルバム制作され、レーベルとのトラブルからお蔵入りになっていた幻のアルバムから数曲を収録した「Wherever You Are」EP・・・それらのリリースを経て、自ら新たに設立したレーベルからのアルバムリリースをした今回の作品。今回はある意味、メジャーレーベル時代のことは方が付いて、自分のレーベルを立ち上げて、新たな一歩を踏み出すことになるべき作品、とも取れるわけですが、次にどう来るのか、こちらとしては非常に楽しみでありました。 で、聴いてみたら、まさかこんなカラフルで、エンターテイメントが施された、こんな楽しませてくれるアルバムだとはね。前作がシンプルにアコースティックの弾き語りの感じで、ストレートにかなり感傷的で、ウルウルな作品だったので、まさかこう来るとは思っていませんでした。 ブラッド・ジョーンズがプロデューサーということで、こういうビートルズライクなメロディーだったり、例えばブライアン・ウィルソン的音楽観だったりを伴ったギターポップ作品を作り上げることは、特に得意とするとこなんだろうけど、さらにそれだけではなく、デヴィッドがソロアーティストとして持ってきた魅力を、都会的で洗練された形で引き出すようにしているし、勿論、ソングライティングやアルバムコンセプトのようなものに関しては、デヴィッドによるとこが大きいのだと思うけど、この2人が融合すると、こんな良いものになってしまうとはね。 アルバムの中もすごく流れてて、聴きやすいし、夢心地な気分に幾度となるし、デヴィッドのハイトーンヴォイスから流れる「泣き」のトーンも上手く利用され、素晴らしく素敵に響いて、感動できる感じになってるし、大人の渋みも利いてて、エンターテイニングだし・・・もう言うことないわ(笑)。 |
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リセットアルバム。
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- 2006/07/15(Sat) -
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![]() It's never been like that - Phoenix ドイツ・ベルリンでレコーディングしたというフランス・パリの4人組バンド(ドラマー不在)の3作目。確かボーカルくん(だっけ?)が女性映画監督のソフィア・コッポラと付き合ってるとかなんとか・・・。 確かこのバンドのデビューアルバム「United」が2000年の夏に出てきた時、ちょうど日本ではタヒチ80の大ヒット真っ最中で、同時に「ポスト・タヒチ80」も探されている状況で、彼らと同じくフランスのギターポップバンドだったということもあってか、いつもタヒチと横に並べられていたっていう印象が強くありました。実際聴いて、あんまり「似てる」とか、「フォロワー」みたいな印象もなかったけど(ありがちな話。/笑)。 その4年後には、彼らの2作目「Alphabetical」が出るわけですが、過去に比較対象であったタヒチが良質な作品をリリースしているのにもかかわらず、日本以外で苦戦を強いられてる一方、フェニックスは着実にステップアップしていて、北米やヨーロッパでもある程度善戦している、という違いが出てきます。僕は当時、カナダに住み、アメリカにも足を運びましたが、各地のレコード店では、やはりフェニックスのアルバムは軒並み並んでいるのを見かけるも、タヒチのアルバムがあまりなかったことには、へーそうなのか、と大きな驚きがありました。 もちろん、それは結んでいるレコード会社の大きさだったり、配給の関係もあるんでしょうが、前作における、ギターポップバンドの域を超え、ハウスミュージックをも飲み込んだポップアルバムを彼らが作り上げたことは、海外のリスナーからそれ相当の評価になり、それが素直に彼らに対する理解に繋がった結果だった、ということだったのでしょう。その上、その作品に伴うツアーも、3大陸150公演に上った、ということですから、現時点の彼らのファンベースの規模もそれくらいある、ということなのでしょう。 そんな彼らが今回作った3作目は、前作とは打って変わって、サウンドテクノロジーをほとんど使用しない、あくまでバンドサウンドのみで勝負するギターポップ作品でした。余計な装飾はできるだけ避け、無駄な部分は削ぎ落とすやり方で、よりシンプルなポップミュージックを提供する感じで、ライブ感のあるアルバムの内容に統一されています。 ほのかにレトロな雰囲気がありながら、無駄なく、ただシンプルに走っていく姿は、少しストロークスのファーストの頃を思い出す様ですが、無理なく独特な歌い回しをするボーカル、そしてカラフルに鳴らされるギターに、跳ねたり、走ったりするドラムが一体となって、軽快にしてポップに、そのフレーズがリフレインされた時、初夏のような爽やかさとキラキラした美しさが心地良く音から溢れ出し、なんだかわからないけど、体が自然と軽く動き出して、背中をぽんと押してくれる感じになるっていう。一方で、優しい哀愁テイストな「One time too many」やBGM的な「North」のような曲が流れ出すと、心休まる感じで、なんか潤うっていうか。 1枚10曲で、たった37分という作品で、すごくポップで、とにかくコンパクトな作りだし、フランス人なりの独特な癖もちょっとあって、何度も聴いてしまいたくなる作品になっております。 |
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力強さをアピール。
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- 2006/07/10(Mon) -
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![]() Eyes Open - Snow Patrol 北アイルランドの中心地、ベルファスト出身のロックバンド5人組の4作目。 結成は94年。このバンド、98年にベル・アンド・セバスチャンが在籍していたことで有名なレーベル、ジープスターからアルバムデビューしたバンドだったのだけど、結局彼らは10年もの時間をかけゆっくり育っていった、非常に下積みの長いバンドだった。 彼らが人気を獲得するのは2003年にリリースされた、メジャー、ポリドールへ移籍しての第一弾となる、彼らにとっては3作目「Final Straw」。この中に収録されている「Run」という曲が大ヒットし、英国のシングルチャートトップ5に入り、それに押し上げられる形で、アルバムもチャートトップ10内に入り、彼らは瞬く間にプラチナ・ディスクを獲得するというメジャーバンドに急成長したのである。 そして、この作品でも、初の全英ナンバー1を獲得し、その地位を揺ぎ無いものにしている。 個人的な視点を加えると、スノウ・パトロールというと、まず思い出すのがレインディア・セクションという、スコットランド・グラスゴーの飲み仲間ミュージシャンが集まった30人バンド。ティーンエイジ・ファンクラブ、ベル・アンド・セバスチャン、アストリッド、モグワイ、アイドルワイルド、マル・ヒストリカル・ソサイヤティ、ユージン・ケリーなどといったメンバーが集まり、そんなあまりにゴージャスなバンドの中心にいたのがスノウ・パトロールで、楽曲はスノウ・パトロールのフロントマンであるギャリー・ライトボディがほとんど手がけていた。バンドからアルバムが2枚出ていて、それが出た時に、「スノウ・パトロール」っていう名前を知って、良いバンド名だな、と。そして、2002年のサマーソニック時に大挙して来日し、宴会さながらのステージ(笑)を披露していました(すごく楽しそうだった。)。・・・当時は、ほんとにほんとにそんなすごくローカルなイメージだったので、後に「Final Straw」で、一躍時の人になったのを聞いた時はほんとに驚いたというか。あのカーラズ・フラワーズが後にマルーン5になって、大ヒットを飛ばしたのと同じくらいの衝撃度がありました。 今回の作品は、前作で得た勢いをそのままに、さらにでっかく拡張させたという雰囲気。あまりに真っ正直な正統派叙情ロック道をさらに突き進んでいき、一方で、全体のサウンドは、わかりやすく大陸的で力強いものに発展。そこにはすごく穿った見方をすれば、すでにポップスターとなった彼らからの「したたかさ」を若干感じなくもないんだけど、音楽は終始誠実な響きで、かつ丁寧な作りであるゆえに、それはそれほど鼻につかない。UK北方特有のキラキラした、メロウなメロディはこのアルバムでも大きな利点として輝き、きっとこのわかりやすさは、また大きくファンを取り囲んで、それは人気となって返ってくるだろうことは、容易に想像がつきます。 コールドプレイやトラヴィスなどを始め、こうしたUK叙情ロックは90年代から大衆の大きな支持を得ながら、今や当たり前のようにUKポップミュージックとして磐石の地位を固め、それはUKの枠を超えて、広く知られるという形となっていて、その中にあって、2000年代中盤にさしかかって、やっとシーンの表に登場してきた10年選手のスノウ・パトロールは、この作品を聴いてもなお、器用そうに見えて、決してそう器用なタイプのバンドではないのだと思うけども、着実にステップを踏んできている、という感はあります。それがいきなりすぐに壊れるということもなさそうだし、このままこの先も音楽バンドとしてゆっくり上っていくでしょう。そこに受け手としては妙な安心感があるとこが良いとこかもしれない。 まぁ、正直な話、こうやって彼らがメジャーの階段をゆっくり進むことによって、レインディア・セクションのようなローカルなものから遠ざかっていく感じがするのは、ちょっと個人的には寂しかったりするんだけどね(笑)。 |
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相変わらずスウィートでビター。
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- 2006/07/05(Wed) -
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![]() Time Being - Ron Sexsmith カナダの重要文化財的(笑)シンガーソングライターの2年ぶり7作目。前作のリリースから、昔からの友人であるドン・カーとのセクスミス&カーでのアルバムリリースを挟んでの新作。この人は毎年、何かしら作品を出してくれる気がします。プロデュースは、彼の最初の3作品にも関わっていた盟友ミッチェル・フルーム。 ソロでデビューしたのが、もうすでに32歳であったという遅咲きでありながら、以降、こつこつと作品を出し続け、ついに7枚目。大きな爆発的なヒットは依然としてないものの、10年にも渡って、独自の安定感と深い信頼、定評を得て、ついには昨年のカナダのグラミー・アワードに当たるジュノ・アワードで、ソングライターズ・オブ・ザ・イヤーを受賞するまでに至りました。しかるべき、といったとこでしょうか(異論はないでしょ?/笑)。 今回の作品も一言で言ってしまえば、「不変」。ポール・マッカートニー的な感じをほのかに漂わせながら、スウィートで落ち着いた雰囲気の楽曲、そしてビターで、時にロマンチックな、味わい深い歌声が印象的な、今回もまた、もうあまり奇を衒う必要もない彼のお家芸を踏襲したような作風で、ロンセク節いっぱい、ロンセク印なアルバムでございました。 あえて言うなら、前作は少しバンド意識の強かった正統派ギターポップのような作品だったので、今回はまたソロ意識に少し戻ってきた感じはあるかも。とはいっても、そう大差はないけど(笑)。毎度のことながら、あえて良いものは変える必要がないし、すでに持ってるもので、大きな説得力があるので、こっちはただただいつも通りに深く印象的に聴くことができて、毎度秀作だなぁと思わされる感じで。誰かには、どこかのアルバムで、一度1枚聴いてほしいなぁっていうのはあるかな。多分、誰が聴いても、何か納得させられるものはあるから。今回のアルバムなんて、なかなか良いチャンスだと思います。とてもベーシックな作品だし。大人な感じで、派手さはあまりないけど・・・聴いて眠くなっちゃう人にはあまり向かないかな?(苦笑)。 こういうポップテイストのシンガーソングライター作品って僕は好きだからよく聴くけど、その中でも、ロンが特に素晴らしいと思えるのは、もちろん良い楽曲があるということもそうなんだけど、「響き」だと思うんですよね。演奏の形態はものすごくオーソドックスで、大体、ギターとベースとドラム、それから鍵盤のみの感じで、何の変哲もない演奏なんだけど、そこからはいつもとても良い「響き」が感じられる。ある種の上級?高級?気持ちが豊かになるような面持ちの何か。ドラムのスネアやハイハットの感じとかを1つ取ってもそう。ベースの音の響き、間合いともそうだし。ギターのサウンドも細やかで、それら演奏の上を、ビターな歌声で、心地良い感じで歌われる歌・・・こういう感じは意外や意外にも、他ではここまでのものはなかなか聴かれないんではないかと。すごくオーソドックスな振る舞いでありながら、ここでしか聴かれない個性がやっぱりあります。1つの魔法といってもいいかもしれません。 10年以上もしっかりと、しかも変わることなくマイペースに歩み続け、リスナーを長らく魅了してきた理由が作品の中にはちゃんとあるわけです。 |
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